下着ドロで人生一転、年収500万円と友達を失った男39歳「ずっとひとりなんですかね…」

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中年の貧困化が止まらない。インフレなどで相対的な給与は減り続け、転職やリストラなどで非正規雇用への転落リスクも高まる40代。その先に待っているのは、社会的孤立という名の危機的状況だ。さまざまな要因で漂流する下流中年のリアルを追った!

◆下着ドロで一転。全て失ってLINEは既読スルー
――尾崎裕一さん(仮名・39歳)/派遣社員/年収280万円

 罪を犯し、一瞬にして下流の仲間入りをした者もいる。

「ほんの出来心だったんです。まさかこんなことになるとは……」

 月並みの言葉でこう自らの過ちを振り返るのは、都内で派遣社員として働く尾崎裕一さん。

 約2年前にベランダに侵入して下着ドロボーをはたらき、窃盗罪と住居侵入罪で現行犯逮捕。執行猶予付き判決を受け、正社員として勤めていた職場を自主退社した。転落ぶりをこう語る。

「以前は正社員で年収500万円ちょっと。それが今では、派遣の上に280万円程です。再就職もこの年では難しいんです。会社を辞めればこうなることはわかっていましたが、社員の僕を見る目は冷たかった。あの空気に耐え得るメンタルは、持ち合わせていませんでした」

 一瞬にして失った正社員という安定と平均年収。だが、尾崎さんの前から消えたのは、それだけではなかった。

「気の合う仲間もいましたし、女友達も多いほうでした。でも逮捕されてからは、皆がいっせいに離れていきましたね。面会に来て“俺らは一生友達だから”と熱く宣言してくれた人も、いまではよそよそしい。罪が罪なだけに、“変態”“キモい”と嫌悪感を抱いている人も多いと風の噂で伝わってきました。

そんな人たちに、僕から連絡する勇気はありません。それでもなんとか繋がろうと、LINEゲームのリクエストを送って様子をうかがったりもするのですが、既読スルーされるだけ。僕はこれからもずっとひとりなんですかね……」

 欲望に負けた罪の代償は、そう簡単には消えない。

― 下流中年の危機 ―