カンボジアのパイリン県で顕微鏡でサンプルを調べる保健関係者(2012年7月5日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】10年前に見つかった薬剤耐性マラリアが初めてベトナムに広がったと指摘する論文が21日、医学誌「ランセット感染症ジャーナル(Lancet Infectious Diseases)」に発表された。論文執筆研究者らは警戒するよう呼び掛けている。

 このマラリアは2007年、カンボジアで初めて見つかっていた。専門家らはインドやアフリカなど他地域への拡大を防ぐよう、対策実施を呼びかけた。

 同論文共著者の一人であるタイ・バンコク(Bangkok)のマヒドン大学(Mahidol University)熱帯医学研究部門のマラリア部長アージェン・ドンドープ(Arjen Dondorp)教授はAFPの取材に対し、このマラリアが「ベトナムで野火のように広がっている」と語り、このマラリアは「10年前にカンボジア西部で始まった。生命力が強く、容易に感染が拡大する。この耐性のあるマラリアが優勢になりつつある」と説明した。

 さらに「カンボジアではすでに新薬を使用しており、あと1〜2年は(その状態が)継続するだろう。ベトナムは今(薬を)替えなければならない」との見解を示した。

 ドンドープ氏の研究チームによる以前の研究によると、この薬剤耐性のあるマラリアは2007年にカンボジア西部で発見された後、タイ北東部、ラオス南部、そしてミャンマー東部に拡大していったという。ドンドープ氏は「さらにインドやアフリカに広がる恐れもある」と警告した。

 マラリアは、寄生生物であるマラリア原虫を持った雌の蚊に刺されることによって感染する病気。世界保健機関(WHO)は、2015年には少なくとも2億1200万人がマラリアを発症し、42万9000人が死亡したとしている。

 1950年代と60年代の2度にわたって、標準的な治療薬に耐性のあるマラリアが東南アジアに出現し、これがインドとアフリカに広がって数百万人が死亡したことがある。
【翻訳編集】AFPBB News