単なるアロマオイルのスプレーなのでは(画像は「goop」の当該商品ページより)

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『恋に落ちたシェイクスピア』や『セブン』、『アイアンマン』シリーズなどに出演しているハリウッド女優グウィネス・パルトロー(44)が、自身の主宰のするブランド「goop」のオンラインストアで奇妙な商品を販売し、海外メディアやネットユーザーたちの間で話題となっている。

きっかけになったのは、2017年9月18日に米国人医師ジェン・グンターさんが自身のブログで、goopが販売している「PSYCHIC VAMPIRE REPELLENT」という商品を取り上げ、批判したことだ。

曖昧な効果説明なのに商品は「健康」うたっている

ボトルに入ったアロマオイルのようなこの商品。次のような説明が記載され、30ドル(約3500円)で販売されている。

「このエリクサー(霊薬、万能薬)には宝石の癒しのパワーと深い芳香性の治療用オイルの組み合わせが含まれ、悪い感情を追い払います」

内容物を見るとローズウォーターや岩塩、ラベンダー、ジャスミンといったアロマオイルで見かける成分のほかに、「超音速で調合した宝石の癒し」や「霊気を込めたクリスタル」「月明かり」「愛」といった意味不明な記述も並んでいる。製造しているのは「Paper Crane Apothecary」というメーカーで、似たような製品を20種類ほど生産しているようだ。

米国では「連邦食品・医薬品・化粧品法」に基づき、食品医薬品局(FDA)が効果効能をうたう商品をチェック、規制する仕組みになっている。しかし、グンターさんは記事の中で、

「曖昧な効果説明に終始しながら商品は『Wellness(健康)』にカテゴライズされている。一方で免責事項としてFDAの承認は取っておらず(医薬品などではないとし)、使用前に医師に相談するよう記載し、巧妙に規制から逃れている」

と指摘。商品にストレス解消や心的な障害の治療効果があると誤解される可能性があることを、goopも把握しているはずだと非難している。

「エビデンスない」の指摘で販売中止の過去も

実は以前から「goop」は偽医学・疑似科学の商品や情報を盛んに発信し、海外メディアで度々批判の対象となってきた。

グウィネス・パルトロー自身がgoopのサイト上で度々「ブラジャーをつけていると乳がんになる」「裸足で地球を感じながら歩くと精神疾患が治る」などと発言した。

2017年6月には、肌に貼るだけで不安や痛みを解消し、持久力や睡眠の質、集中力を高めるというシールを60〜120ドル(約6700〜13400円)で販売していたが、「エビデンス(科学的根拠)のない効果効能を主張する商品を販売している」との指摘が相次ぎ、製造元が生産を中止した。

9月8日付の米ギズモードの記事では、カリフォルニア州の消費者団体がgoopで販売されている51商品にエビデンスが存在しない悪質な広告表示があるとし、訴訟を準備していると報じられている。

「誤解させるような表示」日本では?

日本では「宝石のエリクサー」のようなgoopの商品は販売されていないようだが、goopの例のように紛らわしい言葉や曖昧な表現を使い、「医薬品医療機器等法(薬機法)」や「景品表示法」の規制をかいくぐって効果効能を誤認させようとする問題は存在する。

7月14日には消費者庁が「打消し表示に関する実態調査報告書」を公表。効果効能を思わせるような体験談風の表示に「個人の感想です。効果には個人差があります」といった打消し表示を入れても、多くの消費者が「効果がある」と誤認している事実を指摘した。

こうした結果を踏まえ、報告書内では打消し表示の在り方を見直す必要があると提言されているものの、現状では違法なわけではなくグレーな状態だ。