弘兼氏は「男も料理は自分でやるべき」と語る

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 漫画家・弘兼憲史氏は70歳になったが、昨年上梓した『60歳からの手ぶら人生』では、「弘兼憲史、身辺整理始めました」と宣言。体の機能だけでなく、収入や交友関係など、さまざまな面で下降トレンドに入った60代に、サラリーマン時代の名刺やスーツといった持ち物を半分捨てて、人間関係についても身軽になることを勧めた。

 交友関係も、どんどん減らしたほうがいいという。

「深く付き合う友人は5人くらいで十分です。この歳になると、友人やその奥さんが亡くなったり、友人のお子さんが結婚したりと、冠婚葬祭がずいぶん増える。長生きすればするほど、交友関係が広い人は、大して親しくない人にまで、たくさんお金を払うことになります」

 70代は、人間関係の整理整頓も、さらに進めていく時期だという。

「究極は、一人暮らしすること。完全な一人暮らしではなくても、夫婦がお互いに“家庭内一人暮らし”をするのでもいい。家庭のなかでも自分の世界、部屋を持つと、それは一人暮らしと同じです。

 険悪な関係でいいという意味ではなく、家庭内での自立、妻からの自立をする。時々、顔を合わせたときに『北朝鮮がミサイル撃ったよ』といった程度の話をするくらいが、良好な関係を保てるものです」

 弘兼氏は、“家庭内一人暮らし”をするにも、妻に先立たれる可能性があることを考えても、自立する手段として「料理」が欠かせないとする。

「男も料理は自分でやるべきです。カレーや野菜炒めくらいは作れるほうがいい。

 私は『1か月食費1万円生活』をやってみたことがあります。大根を120円で買ってきて、葉っぱを刻んで塩もみし、大根の皮を切って塩昆布とあえておかずにする。ゲーム感覚でやると楽しいんです」

 スーパーでの買い物から皿洗いまで、すべて自分でこなせるようにする。妻に依存する生活を抜け出すにはまずそこからだ。

「私の70代の夢は、アメリカ・ニューヨークのブロンクスあたりで一人暮らしすることです。家族にそう伝えても“お好きにどうぞ”っていわれそうだけど(笑い)」

※週刊ポスト2017年9月29日号