U-20ワールドカップは「緊張しなかった」という久保。同年代と相対するインドでの戦いを前に、頼もしい限りだ。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 9月22日、インドで開催されるU-17ワールドカップ(10月16日開幕)に挑む日本代表メンバーが発表された。
 
 21人の精鋭たちの中でも飛び切りの注目を集めるのが、FC東京U-18の久保建英だ。同日、メンバー選出を受けて取材に応じた若武者は、16歳とは思えない落ち着いた口ぶりで、「少ない枠の中に入ることができて素直に嬉しいです」と喜びを表現しつつ、世界大会への内なる闘志を垣間見せた。
 
 今年の5〜6月に韓国で行なわれたU-20ワールドカップに飛び級で招集された久保は、同年代よりも一足先に“ワールドカップ”を経験した。本人が「全力を出しても及ばないところがあった」と回想するように、結果は3試合に出場して無得点。チームもベスト16で涙を呑んだ。
 
 大会後、久保はU-17日本代表の森山佳郎監督に対し、「選んでくれるんだったらどうしても参加したい」と伝えたという。指揮官はメンバー発表会見で「U-20ワールドカップで得点を取れず、力も発揮し切れずに帰ってきた。彼のこの大会に期する想いはかなり強いと思う」と語り、エースの胸中を推し量った。
 
 久保を突き動かしているのは、悔しさと危機感だ。ウルグアイやベネズエラ、イタリアといった強国との対戦を通じ、「意識が変わった」と言い切る。
 
「正直、あの悔しさは忘れていないです。とくにベネズエラ戦は自分が試合を変えたいと思って途中からピッチに入りましたけど、変えられなかった……。先輩たちからは『お前は次もあるから頑張れ』と言われ、意識が変わりました」
 
 世界大会へのリベンジに燃えるレフティーに、気負いはない。
 
「ワールドカップで緊張はしなかった。あくまで自分の意見ですが、ワールドカップは、自分のやってきたことを最大限に出す場だと思っている。一回経験していることは自分にとって大きなアドバンテージです」
 
 U-17ワールドカップにおける日本代表の最高成績は、中島翔哉(現ポルティモネンセ)や南野拓実(現ザルツブルク)らを擁して臨んだ2011年大会のベスト8。久保は、「過去の成績とかは分からないですけど」と前置きしつつ、世界制覇を目標に掲げた。
 
「同世代の選手と戦って変な負け方はしたくない。まずはグループステージ突破が大前提。どう抜けても強豪と当たると思いますけど、できれば優勝したい。そうすれば、後々、自分たちが(A代表で)ワールドカップに出る世代になったとき、優勝できる可能性も増してくる。自分のサッカー人生にプラスになる」
 
 今大会のその先を見据え、理想を膨らませる久保。「大舞台で結果を残さなければ理想には近づけない。結果を残せば『こいつやるんだな』という評価になると思う」と意気込む。
 
 飽くなき姿勢で結果を追い求める期待の16歳は、己の悔しさを晴らし、かならずや日本に吉報を届けてくれるはずだ。
 
取材・文:羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)