UEFAネーションズリーグは、これまでにない画期的な試み。緊張感のある代表戦が提供されそうだ。(C) Getty Images

写真拡大

 欧州サッカー連盟(UEFA)が、2018年8月から新しく始まる「UEFA ネーションズリーグ」の概要とレギュレーションを発表した。
 
 発端は、2014年3月にカザフスタンのアスタナで開かれた第38回UEFA定例総会。欧州における代表チーム戦の新たなコンペティションとして創設が承認され、UEFA加盟55協会の代表チームが参加する。
 
 今回、改めて発表されたそのフォーマットは、次の通りだ。
 
 UEFA代表チームランキングを元に、55チームをA〜Dのディビジョンに分割。さらに各ディビジョン内で4つのグループに振り分ける。
 
 各チームはホーム・アンド・アウェーのグループリーグを戦い、順位を決定。最上位であるディビジョンAの各グループを制した4つの首位チームが、準決勝と決勝のファイナルステージを戦い、その勝者が晴れてネーションズリーグ優勝国となる。
 
 立案したミシェル・プラティニ前会長が2015年に汚職の罪に問われ、その座を追われたあとも、入念な練り込みを進めてきたUEFA。開催時期を国際親善試合が開かれる9月から変更しなかった。「親善試合には誰も興味を持たない。ファンや選手、メディア、各国協会の誰ひとりとしてだ」と語った、立案者プラティニの意向に汲んだ結論だ。
 
 昇降格制度も用いられる同大会でUEFAが目論むのも、まさにこの点。親善試合にはない緊張感を生み出すだろう。公式サイトでは次のような想いが記されている。
 
「これは代表チームのサッカーにおける質の向上と地位を高めたいという要望から生まれたものだ。UEFAに加盟する55か国は、親善試合が競争の場として適していないとの意見で合致している。選手やコーチたちは代表戦がよりスポーツ的な意味合いになることを欲しているのだ」
 
 来年1月には組合せ抽選会が行なわれるネーションズリーグ。では、UEFAの代表戦における最大の祭典、EURO2020予選との兼ね合いはどうなるのだろうか。

 こちらは2019年3月から始まり、ネーションズリーグと並行して行なわれる。参加チームを10組に分け、各組上位2チームが本大会に進出するレギュレーションに変更はない。
 
 しかし、ネーションズリーグの各ディビジョン1位のチームについては、EURO予選突破が決まっていなかった場合に限り、4枠を争うプレーオフに出場する権利を得る(決まっていた場合は2位のチームに資格が移行)。つまりはディビジョンDの優勝国にもEURO出場権が与えられるため、早くも賛否両論が出ている。

 とはいえ、常時コンペティティブなゲームができるというメリットを考えれば、やはりポジティブに捉える向きが強い。FA(イングランド・サッカー協会)は、「非常に有意義だ。降格の危機もあり、真剣勝負が行なわれるのだから」と、その決定を称賛している。ワールドカップやEUROといったメジャー大会とは一線を画す、興味深いトライだ。

 ただ日本など他地域の国々にとっては、やや寂しい展開となる。その時期に欧州の列強国と腕試しする機会が、グッと減ってしまうからだ。