中国の中央軍事委員会機関紙の解放軍報は21日、安倍政権が軍事大国化と平和憲法の放棄を企図して具体的な動きを進めていると批判する論説を掲載。「中国脅威論」を口実にしていると主張したが、北朝鮮情勢については触れなかった。写真は反安倍政権デモ。

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中国の中央軍事委員会機関紙の解放軍報は21日、安倍政権が軍事大国化と平和憲法の放棄を企図して具体的な動きを進めていると批判する論説を掲載した。「中国脅威論」を日本国内向けの口実にしていると主張したが、北朝鮮情勢については触れなかった。

論説は、安倍政権は2012年末の発足以来、日本が戦後になり長期にわたり堅持してきた「専守防衛」の安全政策の本質を変更し、軍事大国化を企図していると主張。

さらに、安倍政権の鼓吹する「積極的平和主義」のもとに、日本は野心をむき出しにして武器の開発と購入に力を入れていると主張。例としてヘリコプター空母「いずも」、F−35戦闘機、無人機のグローバルホーク、ステルス戦闘機の心神、AAV7水陸両用車、潜水艦「そうりゅう」などを挙げ、防衛省の2018年度予算請求は5兆2551億円で過去最大になったと指摘した。

また、日本は武器装備という「ハードウエア」だけでなく、実践技術と経験という「ソフトウエア」の蓄積にも力を入れていると主張。米軍と繰り返している共同軍事演習では、自衛隊が主導的役割を担う場合も増えていると論じた。

安倍政権は政治手法面で「周辺の安全環境が日増しに厳しくなっている」ことを理由に、批判を浴びている「積極的平和主義」の名のもとに、国民から集団的自衛権の解禁に対する支持を取り付け、最終的には平和憲法の修正を目標にしていると主張した。安倍政権が論ずる「周辺の安全環境」についての具体的状況としては「中国脅威論」を挙げた。

論説は、「安倍政権は平和憲法という世界の人民に対する平和の約束に背き、平和主義の道からますます遠ざかっている」と主張。歴史は何度も「軍国主義者は失敗の運命から逃れられない」ことを証明しているとして、「日本が平和発展の道を堅持することこそが、隣国との相互信頼を増強し、地域の平和と安定を維持して長期にわたる真の安全を獲得することにつながる」と論じた。

中国は安倍政権に対して、日本の軍事大国化を目指しているとして批判を続けてきた。最近は、北朝鮮の核問題を理由に日本が核兵器保有を目指す可能性があるとして、警戒を一層強めた。しかし解放軍報の論説は北朝鮮問題には触れなかった。

中国も核兵器問題やミサイル発射実験で北朝鮮への非難を続けているが、論説が北朝鮮問題に触れなかったのは、読者が「日本の軍事力強化もやむをえない面がある」と感じることを避けるためと解釈できる。(翻訳・編集/如月隼人)