(写真=「クモン学習」HPより)

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韓国人が“勉強熱心”であることは、日本でもよく知られている。

子供の頃から英語やテコンドー、漢字、ピアノなどの習い事をさせられ、学校では朝から晩まで勉強漬けの日々。厳しい受験戦争を経て大学に進学しても、英語の勉強やボランティア活動、インターンシップなどをこなすことに夢中で、青春を満喫する余裕もない人がほとんどだ。

このような10〜20代を過ごした韓国人の中には「常に何かを習わないと不安になる」という人も少なくない。最後までやり遂げるかどうかは別として、韓国人は勉強する行為そのものに意味を見出しているようだ。

そんな中、韓国で子供用の通信学習として有名な「クモン学習」(日本のKUMONとライセンス契約)は、ここ数年で成人会員が急増しているという。

2013年に約1万8000人だった会員数は2016年12月に4万1000人と増加。会員増加率を見ると2015年に17.8%だったのが、2016年には50.5%に跳ね上がった。

月3000円ほどで定期的に自習用の教材を受け取り、時間や場所にこだわらず勉強できる。そんなメリットに加え、「塾に通うよりも効率的」との口コミが広がったのが、会員急増の理由だとか。

毎日仕事に追われるビジネスパーソンの間では、通勤時間や昼休みを活用して勉強する人も多く、自己啓発の一環として密かなブームになっているそうだ。

英語より日本語学習者が多い!?

「クモン学習」によると、成人会員の10人中7人は外国語を勉強しているという。

言語別の割合では、日本語が32.6%、英語が21.8%、中国語が16.6%を占めている。

英語よりも日本語の割合が多いことには少し驚きだが、社会人ならある程度の英語力は身につけているはずだから、次にチャレンジしている外国語が日本語だと考えれば理解できなくもない。

10人中3人は、漢字や数学の学習者だ。成人会員のほとんどは学校でちゃんとした漢字教育を受けていなかった30代。彼らが親になった今、自ら勉強し直すことで子供の教育にも役立てようとするケースが多いという。

「自己啓発に対する強迫観念」との指摘も

教材を使って自分のペースで勉強できるのもいいが、やはり「塾に通う派」もいまだに多い。ただ、昔より勉強のジャンルが幅広く、専門的に変化した。

『韓国経済』によると、3年前からプログラミングの受講生が増えている。最近はIT業界でなくても、プログラミングへの理解を求める仕事が増えたからだ。他にも音楽や美術などを学ぶ人も増えており、週末には大人向けのクラスで塾が賑わうという。

このような韓国人の勉強への情熱に対し、専門家たちは「自己啓発に対する強迫観念が生み出した結果。急激に変化する現代社会に焦りを感じている証拠だ」と指摘する。

一方で、「社会的に仕事とプライベートをしっかり区分しようとする雰囲気が流れているため、勉強の時間が増えた結果」というポジティブな評価も見受けられる。

いずれにせよ、「勉強がストレス解消」で、「職場で満たされない自尊感情を勉強することで補う」という韓国の大人たち。彼らは勉強しなければならないことが次々と出てくる今のご時世に適した存在なのかもしれない。

(参考記事:日本より熾烈で想像を絶する「韓国受験戦争」の知られざる実態

(文=S-KOREA編集部)