ツァン・ベイウェンをストレートで破った奥原希望【写真:平野貴也】

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ヨネックスOP…体の一部に痛みを感じる中、スローペースのラリーでベイウェン撃破

 新旧の世界女王が激突する。バドミントンの国際大会BWFスーパーシリーズ第8戦「ダイハツヨネックスジャパンオープン2017」は22日に各種目の準々決勝を行い、女子シングルスでは世界選手権覇者の奥原希望(日本ユニシス)が世界ランク11位のツァン・ベイウェン(米国)をストレート(21-16、23-21)で破った。翌23日に行われる準決勝では、昨夏のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したキャロリーナ・マリン(スペイン)と対戦する。

「(本戦開始前日に行った)記者会見にも3人で出席しましたけど、(前日に対戦した)プサルラ・V・シンドゥ選手とマリン選手と3人で女子シングルスを引っ張って行きたいと考えています。私は世界選手権で優勝しましたけど、その前の2大会はマリン選手が勝っていますし、リオ五輪でも金メダルと結果を残している素晴らしい選手。自分のプレーをして、序盤で相手がどうするのか探り合いながら、良い試合をしたい」

奥原は8月の世界選手権以来となる「新旧世界女王対決」に向けた意気込みを語った。

 ただ、心配になるコメントもあった。準々決勝を振り返る上では、前日の試合後から体の一部に痛みを感じていると告白。試合はスローペースのラリーを意識し、意図的にスピードを上げない展開に持ち込んでいたそうで、「完全に(動きを)セーブしていた」という。

8月の世界選手権後、スーパーシリーズ第7戦の韓国オープン、今大会とハイレベルなゲームの連戦が続いており、疲労も無視できない。それでも奥原は「どの選手も同じ状況で、その日のコンディション、その日の相手に合わせたプレーで勝てるかどうかが大事。コンディションが悪いから負けてしまうという言い訳は、好きではない」と強気な姿勢は崩さなかった。

マリンとの対戦成績は6勝3敗…マレーシアOP、世界選手権と連勝中

 翌23日の準決勝では、マリンと対戦する。マリンは、準々決勝で奥原の3学年下で日本代表の後輩である山口茜(再春館製薬所)にストレート(21-18、21-15)で勝利。山口は、前後に大きく揺さぶられ、相手の意表を突く持ち味を発揮させてもらえず、「攻撃的なレシーブができなくて、球が浮いてしまい、相手に多くの選択肢を与えてしまった。相手のペースで押し切られた」と悔しがった。

 24歳のマリンは、球足の速い攻撃的なショットが武器で、世界トップレベルの経験も豊富だ。2014年、15年と世界選手権を連覇。昨年はリオ五輪で頂点に立ち、3年連続で世界女王の座に就いている超実力派だが、奥原が優勝した今年8月の世界選手権では、準々決勝で奥原に敗れた。奥原が再びマリンを破れば、マリンから奥原への「政権交代」のアピールとなる。

 逆に、マリンが勝てば復権のアピールにつながる。国際大会での対戦成績は、奥原が6勝3敗と勝ち越しており、世界選手権の前にもマレーシアオープンで勝って連勝中だが、それだけにマリンがどのように逆襲を狙うのかも気になるところだ。強敵を破り、ホームゲームである今大会の決勝へ進めるか。新旧女王対決に注目が集まる。

平野貴也●文 text by Takaya Hirano