珍しく貴重なレトロゲーム機約350点を並べた展示会が、大阪府阪南市内で開かれており、「凄い」「圧倒された」などとツイッター上で評判になっている。

いずれは博物館の形にしたいという主催者に、Jタウンネットは2017年9月21日、話を聞いた。

「レトロゲーム博物館」計画のための資料展示

人気ゲーム「ゼルダの伝説」が遊べる、任天堂以外のゲーム機がある。それは、オランダのフィリップス社が一時期日本で発売した「CD-iプレーヤー」だ。エポック社がかつて発売したゲーム機「カセットビジョン」は、あのアクションゲーム「与作」に対応しており...。


展示会で並んだレトロゲーム機の数々(以下、日本レトロゲーム協会提供)



ゲーム好きなら興味をそそられそうな展示会を企画したのは、NPO法人「日本レトロゲーム協会(JARGA)」だ。

阪南市内の山中渓地区にある「オールドフィールド」と名付けた古い住宅で2017年9月16日から展示会が始まり、愛好者らがツイッター上でその様子を紹介する写真を次々に投稿している。

展示会のポスターでは、東京五輪がある2020年に向けて「レトロゲーム博物館」を計画してあり、そのための資料展示とあった。9月16〜18、22〜24日の6日間にわたって開かれており、入場は無料だ。

「貴重なゲームが海外流出するのを防ぎたい」

日本レトロゲーム協会のホームページによると、協会は、家庭用ゲーム機やソフトを文化遺産として残すことを目的に2011年からスタートした。16年11月にはNPO法人となり、レトロゲームの保存活動を本格化させている。理事長は、ネット上で中古ゲーム店「ラジオストック」を運営している石井豊さん(44)だ。


日本レトロゲーム協会理事長の石井豊さん

石井さんは9月21日、展示したゲーム機について、そのほとんどが20年ぐらいかけて石井さん個人で集めたものだと取材に説明した。

ショーケースに入れた小さな赤いゲーム機は、無線会社にいた父親が電機メーカーの社員から仕入れた日本製キットで作ったものだ。小学生だった石井さんがクリスマスプレゼントとしてもらい、ピンポンゲームなどで遊んだそうだ。

かつてのスーパーファミコンなど様々なゲーム機があり、それらを手に取って遊べるコーナーも設置されている。ゲーム機の偽物であるパチモノも展示してあり、タイの骨董市などで面白いものを集めてきたという。



台風18号の影響があったものの、16日からの3日間で愛好者ら延べ100人以上が展示会を訪れた。

日本のゲーム文化を世界に紹介するための「レトロゲーム博物館」は、18年9月ごろにも仮設の形でオープンさせたい考えだ。場所は、大阪・日本橋などを検討している。博物館は、外国人の観光需要が伸びる東京五輪が終わるまで続け、手応えがあれば常設も考えたいとしている。

石井さんは、「アメリカやドイツなどでは、博物館などが貴重なレトロゲームを集めており、日本から海外に流出しています。日本は、立ち遅れており、浮世絵版画のようなことが起きないためにも、今すぐ手を打たないといけないと考えています」と話している。