J1を制覇した2016年は、クラブW杯でも準優勝を飾った。(C)SOCCER DIGEST

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 鹿島OB対談の第4回は、いよいよクラブの深層へと迫る。なぜ、鹿島は常勝軍団でいられるのか。その理由を熟知するふたりが語り合う。

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岩政 石井さんは、スタジアムの雰囲気や感謝の気持ちがチームを勝たせるという信念をお持ちですね。そういう想いを形に表してもいます。サポーターの方たちと一緒に写真を撮ったりして。
 
石井 現役時代にジーコから「自分たちが給料をもらえるのは、サポーターがお金を払ってチケットを買ってくれるからだ」と教えられたのが、身体に染みついているんです。常にそういう気持ちはあるし、「サッカー選手である前に、住んでいる社会のひとりとして生きるべきだ」という心構えや、地域の人に愛されるチームにしたいという想いもありました。
 
岩政 別のクラブの監督になったら、鹿嶋という地域と一時的に離れることになります。寂しくないですか?
 
石井 寂しいかもしれませんね。
 
岩政 石井さんは、地域の人たちと関りが深いですからね。
 
石井 深いですよね。深すぎるかもしれない(笑)。
 
岩政 クラブワールドカップ準優勝は、石井さんの今後のキャリアに大きな影響を与えると思います。あの戦いのなかで対世界という意味で感じたものはありますか?
 
石井 日本は組織力が優れていると感じました。アフリカのチームは、かなり攻撃的だった半面、守備が緩かった。南米代表のアトレティコ・ナシオナルも同じですね。決勝のレアル・マドリーには攻められる時間が長ったんですが、組織でしっかり守れたので、そういう強みが日本にはあると感じました。
 逆に足りないのは、動きながらの基本技術。海外の強豪チームは、そこがしっかりできているからこそ、プレー中に相手が見える。特にレアル・マドリーと戦った時は、自分たちが動かされる感覚を覚えました。
 
岩政 私も指導者として「相手を見よう」とよく言うんですが、結局ボールを止める技術がなければ相手は見えないんですよね。
 
石井 本当にそう。痛感しました。
 
岩政 Jリーグのチャンピオンシップからクラブワールドカップ、そして天皇杯まで一気に駆け抜けましたが、あの期間に何があったんですか?
石井 チャンピオンシップの流れがクラブワールドカップにつながり、クラブワールドカップの成績が天皇杯にも続いたのかなと。だから、チャンピオンシップの戦い方が上手くいったのが、一番のポイントになったと分析しています。
 
岩政 なるほど。では、チャンピオンシップで「行けそうだな」と思った瞬間はありましたか?
 
石井 準決勝の川崎戦の前に2週間くらいインターバルがあったので、そこで守備のトレーニングを徹底的にしました。相手が川崎なので引いて守る時間が多くなるのを想定しながら、前から奪いに行くところとしっかり引くところの整理を、もう一度やり直したんです。そこが上手くいった要因のひとつだと思います。全体練習の後に選手同士で話し合うことが増えたし、これはいけるんじゃないかと。
 それに、川崎戦は(柴崎)岳の足の怪我が治るか治らないかというところでした。そこで勝負して川崎戦で使わず、決勝の浦和戦まで引っ張ったのも上手くいったと思います。
 
岩政 チームの原点である守備を見直したうえで、石井さんが重視する自主性も見られるようになったんですね。。
 
石井 あとは、(大岩)剛コーチがビブス組に発破をかけて、自分たちがどういう立ち位置なのか働きかけてれました。それも素晴らしかったです。
 
岩政 剛さんは石井さんとはタイプの違う監督だと思いますが、どう見ていますか?