インスタグラム(Instagram)に騙されるな!?(depositphotos.com)

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 米ノースウェスタン・メディスンのClark Schierle氏らの研究チームは、脂肪吸引や鼻の整形などの美容外科手術を希望してSNSの「インスタグラム(Instagram)」で検索しても、信頼できる医師が見つかる可能性は低いとする研究結果を『Aesthetic Surgery Journal』8月30日オンライン版に発表した(「HealthDay News」2017年8月30日)。

認定医による投稿は17.8%、非認定医による投稿は26.4%

 発表によれば、研究チームは、インスタグラムで「#美容整形」「#フェイスリフト(顔面のしわやたるみを取る施術)」「#豊胸」「#タミータック(腹部のたるみを取る施術)」など美容外科に関連する21のハッシュタグが付けられた投稿を検索。ヒットした約180万件の投稿のうち、それぞれのハッシュタグごとに人気の高い9件、計189件の投稿の内容を詳細に分析した。

 その結果、米国外の医師による投稿を除けば、米国美容外科学会(ASAPS)の認定医でない専門外の医師による投稿が全体の26.4%を占め、ASAPSに認定された形成外科医による投稿(17.8%)を上回っていた。

 非認定医の専門科は、耳鼻咽喉科、皮膚科、一般外科、産婦人科、一般内科、救急科だった。また、歯科医、スパ施設、美容室のスタッフによる投稿も5.5%を占めていた。

 また、これらの投稿の約7割は自らの施術を宣伝する内容で、残る3割は教育的な内容だった。なお、ASAPSに認定された形成外科医による投稿は、専門外の医師による投稿と比べて教育的な内容が多い傾向があった。

「美容外科の領域は全くの野放し状態」

 Schierle氏によると、昨年、米ジョージア州では救急医が脂肪吸引に失敗して患者2人を死亡させ、告訴されている。また、今年8月にはニューヨーク市で2人の子を持つ31歳の母親が、アパートの一室で豊尻手術を受けた後に死亡している。

 Schierle氏は「医師免許があれば法的にはどんな処置でもできる能力があるとみなされることが問題だ」と指摘する。美容外科手術は副業で稼ぎたい医師が、ある程度の訓練を受けて形成外科の看板を掲げることもできる。なお、理容師や美容師の場合、美容整形の宣伝をするだけなら合法だが、メスや針を使った施術を行えば違法だ。

 ASAPSのClyde Ishii会長は「美容外科の領域は全くの野放し状態。消費者は、美容外科が合併症を伴うリスクがある 外科手術である事実を認識すべきだ。処置を受ける前に、施術者がそれを病院で実施することが許可されているのか、また施術者は米国専門医認定機構(ABMS)が認める団体によって形成外科医として認定されているのか確認すべきだ」とアドバイスしている。

インスタグラムの月間ユーザー数が1600万人に!わずか1年半で2倍に急増!

 デジタル社会に必須のメディア・リテラシーや情報リテラシーへの適応力が必要だ。つまり、インスタグラム、Facebook、TwitterなどのSNSを適切に理解・判断・活用できる能力・知性があるかどうかが問われる。

 インスタグラムなどのSNSの利用実態を示すデータがある。携帯総合研究所(2017年2月16日)によると「日本のインスタグラムの月間ユーザー数が1600万人に!わずか1年半で2倍に急増」と報道している。

 また、Facebook Japanが日本国内のFacebookとインスタグラムの月間ユーザ数(MAU)を発表。2016年12月現在のFacebookの月間ユーザ数は年間200万人増加の2700万人に止まった。一方、インスタグラムは、わずか1年半でユーザ数が2倍に急増し、1600万人に達している。

 インスタグラムは、なぜ躍進しているのだろうか?

 インスタグラムは、フィルタや色彩調整で加工を加えるなどの非日常的な写真や動画が人気だ。だが、昨年、一定時間が経てば写真や動画が自動的に消える新機能「ストーリー」が採用され、日常的な写真が投稿しやすくなったことが好感されたため、ユーザ増につながっている。

 また、MMD研究所の調査によれば、女子高生の「iPhone」利用率は85%だが、定期的に利用しているスマホアプリは、20代以降の女性は、1位がLINE、2位がFacebook。女子高生と女子大生は、1位がLINE、2位がTwitter、3位がインスタグラム。Facebookは、特に若い女性に人気が薄い。

 ちなみに、各SNSの国内ユーザ数は、インスタグラムが1600万人(+800万人/2015年12月)、Facebookが2700万人(+200万人/2016年12月)、Twitterが4000万人(+500万人/2016年9月)、LINEが6600万人(-200万人/2017年1月)となっている。

 また、マクロミル(2016年7月26日)が報じた「2016年夏、インスタグラムの今」によると、インスタグラムの利用者は、アカウント保有者の91%。見るだけの人が43%、情報発信も行っている人が49%。10代女性の36%、20代女性の34%がユーザだ。

 ネット情報検索にインスタグラムを利用したことがある人は13.9%。10代女性なら33%。頻繁に利用しているのは、10代女性が13%、20代女性が12%。若い女性ほどネット情報検索に意欲的だ。

 また、インスタグラムのユーザの趣味・嗜好・意識を調べたところ、「これだ!」と思う商品やサービスなら迷わず購入・利用する(57%)、良い商品やサービスは他人に勧める(55%)、自分は熱しやすく冷めやすい(56%)、流行やトレンドに敏感(43%)、ブランド物が好き(36%)など、美容、健康、ファッション、旅行、ショッピング、グルメ、インテリアなどへの興味・関心がとりわけ高い。

 つまり、インスタグラムのユーザは、ハイコンシャス(高感度)で意識が高く、ブランド志向も消費意欲も強いことが分かる(マクロミル「ブランドデータバンク第22期調査」2015年12月)。このようなインスタグラムのユーザなら、メディア・リテラシーや情報リテラシーへの適応力も優れているかもしれない。

 しかし、日本の状況がアメリカに比べて特段いいとは限らない。多くの美容整形外科が都合のいい情報をインスタで発信をしている。美容や健康のネット情報は玉石混交なので、冷静に判断しつつ、スマート(賢明)に行動してほしい。

*参考:公益社団法人日本整形外科学会(https://www.joa.or.jp)
(文=編集部)