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仕事に子育てにと忙しいワーキングマザーにとって、家事の負担はできるだけ減らしたいもの。とはいえ、家族のために暮らしの水準を落とすわけにもいかない。ーーそんなジレンマに苦しめられているなら、家事代行サービスに目を向けてみては? 実際の利用者に、そのメリットや活用のコツを聞いてみた。

気軽に頼める家事代行サービスが、続々と登場

かつて“お手伝いさん”というと、「生活に余裕がある人が頼むもの」というイメージが強かったのではないだろうか。確かに従来の家事代行業は、継続して雇用することが前提だったので概して高額だった。また人材のマッチングに時間がかることや、サービスの内容が不透明であることも、利用のハードルを高くする一因になっていた。

しかし共働き家庭が増えた近年の家事代行サービスは、もっとカジュアルに利用ができるようになっている。多くの会社が時間毎の費用やサービスの内容を明確にしており、単発での利用も可能。ユーザーが必要な分だけの家事代行を頼めるようになりつつある。

たとえば 2014年設立の「 CaSy(カジー)」は、1時間の最低利用料金が2190円と低価格。加えてオンラインのマッチングシステムを導入することにより、利用の3時間前までの申し込みを可能にした。また2005年設立の「マエストロサービス」は、掃除や料理を組み合わせて依頼することができ、事前に依頼内容を明確にできない人でも気軽に利用できる。

ほかにも、さまざまな家事サポートサービスが生まれているが、多すぎて迷ってしまう人もいるかもしれない。多様な選択肢がありすぎて迷ってしまったら、家事代行サービスの比較ポータルサイト『カジフル』が便利だ。主要30社以上の家事代行サービスのなかから、エリアやサービス内容で比較し、希望にあった会社を選ぶことができる。

育児休暇から復帰するタイミングで、家事サポートに申し込む人が多い?

では、実際の利用者はどのように家事代行サービスを活用しているのだろう。今回お話をうかがったのは、民間の家事代行会社を利用するワーキングマザーのおふたり、『CaSy』を利用する永田絵里さん(仮名・30代子ども1人)と『マエストロサービス』を利用する川合幸子さん(仮名・30代子ども2人)だ。

両者に共通しているのは、育児休暇から復職したタイミングで、家事代行の利用を始めたこと。育児と仕事を両立するために、家事のアウトソーシングを決断したそうだ。

「私は『CaSy』で料理の代行を頼んでいます。育児休暇からの復帰後しばらく、自分だけで仕事と家事、育児を頑張ってみたのですが、数カ月でギブアップ。全てを自分で背負い込んでいた当時は、仕事帰りの電車のなかでメニューを検索し、帰宅後急いで食事を作っていました。でもその方法だと、自分に余裕がなくなってしまうんです。子どもも保育園から帰っても母親に甘えられずに、寂しさを感じていたようです」(永田さん)

「私の場合は2人目の子どもの育児休暇が明けたタイミングで『マエストロサービス』で掃除と簡単な調理を頼むことにしました。子ども1人のときも忙しかったので、これが2人になったら、家事とその他の両立が難しくなると思ったのです」(川合さん)

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帰宅後の少ない時間で家事と育児をこなそうとすると、そのスケジュールは分刻みになり、子どもとゆっくりと喋ることもままならない。そんなとき家事の一部を人に任せることができたら、肩の荷が降りるに違いない。永田さんも川合さんも、家事の代行を頼んだことで、夕方や休日に子どもと過ごす時間が増えたという。また、帰宅ギリギリの時間まで会社で仕事に没頭できるようになり、仕事にも余裕が生まれたそうだ。

隔週でもOK。ピンポイントのケアで日々の家事が楽になる

家事代行サービスの相場は平均して1時間あたり2000円から3000円前後。1回の利用に3時間以上などの制限を設けている会社も多いので、一度頼むと5000円以上の費用がかかる。安くはないと感じるが……。

「私は2週間に一度3時間、決まった人に料理をお願いしています。月に1万2000円程度の出費ですが、約8種類のお惣菜を大量に作り置きしてくれるので、次の利用までずっと、そのお惣菜をメインにした食事がいただけます。子どもの好みにも対応してくれますし、味付けの要望も聞いてくれますよ。我が家に来る人は、プロの料理人でもあるので、美味しさは文句なしです。今では冷蔵庫の写真を2枚ぐらい送れば、我が家好みのメニューを考えてくれるので、献立に頭を悩まさなくてよいのも嬉しいですね」(永田さん)

「子どもが2人居ると本当に家事が多くて、週に一度家事代行をお願いしても、まだまだ自分でやらなければならない家事があります。でも、もしもサービスを頼んでいなかったら、週末もずっと家事に追われていたでしょうね。価格は1回3時間で約1万円です。私は週1回利用しているので、トータルで月額4万円の出費ですが、その価値はあると思っています。内容は掃除がメインで、料理は野菜を切っておくなどの下ごしらえのみです。特に掃除はきちんと研修を受けた方にやってもらうと、週一度でも見違えますね。ベッドメイキングやお風呂の掃除などは、プロのノウハウを見ることで、自分も勉強になりました」(川合さん)

家事代行は、実はそれほど頻繁に頼む必要はない。週に一度、または隔週の利用でも、料理の作り置きをしてもらったり、自分では手をつけにくい部分を重点的に掃除してもったりすることで、継続的に家事負担を減らすことができる。

苦手な部分をアウトソーシングすることで、生活全般に好循環が生まれる

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会社の仕事なら、特定の分野を専門家にアウトソーシングすることは、よくある。家事も仕事だと考えて、一部を他の人に頼ることで全体の生産性が上がるのであれば、その出費は決して贅沢でも無駄でもないはずだ。

子どものいる共働き家庭では、家事・育児・仕事は三位一体で、どれが欠けても生活がまわらなくなってしまう。やらねばならない仕事の総量がワーキングマザーのキャパシティーを超えてしまう前に、まずは任せられるところからアウトソーシングしてみてはどうだろうか。

家のなかの仕事を見回すと、自分よりもスキルのある人に頼った方がよい部分や、また自分でなくてもできる部分があるだろう。家事のなかで苦手な部分だけでも代行してもらうことで、随分気が楽になるはずだ。そこで捻出した時間を使って、子育てや仕事にも好循環が生まれるとなれば、試して見る価値はありそうだ。

●参考
CaSy(カジー)
・マエストロサービス
・カジフル
(蜂谷智子)