総合車両製作所(J-TREC)がJR東日本新潟支社、ジェイアール東日本企画新潟支店と連携して、LTE応用低コスト車内ビジョン「Train Viewer+」を開発しました。

情報伝送線が一切不要に

 JR東日本グループの鉄道車両メーカー、総合車両製作所(J-TREC、横浜市金沢区)は2017年9月14日(木)、JR東日本新潟支社、ジェイアール東日本企画新潟支店と連携して、LTE応用低コスト車内ビジョン「Train Viewer+」を開発したと発表しました。


JR東日本E129系向け「Train Viewer+N」(画像:総合車両製作所)。

「大都市圏以外でも車内ビジョン装置を」という要望から開発された「Train Viewer+」は、運行情報やニュース、天気予報、広告などのコンテンツが、地上サーバから本装置に配信される仕組み。

 これまでの装置では車両の基幹伝送系によっていた情報通信を、本装置ではLTE回線により無線化。その結果、情報伝送線が一切不要となり、車両の電源のみで動作できるようになりました。「Train Viewer+」の概要は、次のとおりです。

●全長:690mm
●全幅:43mm
●高さ:299mm
●重量:約9.5kg
●画面サイズ:20インチ(フルHD)

「Train Viewer+」は、配信サーバ側の遠隔監視による通信状態の把握が可能で、部品交換も容易。 2016年に開発した量産先行機の試験運用により、信頼性や保守性向上の改良を行い、今回の量産機開発に繋がりました。J-TRECは2017年、JR東日本E129系向けに「Train Viewer+N(N:新潟向け)」を150 セット(50両分)受注。

 J-TRECは「『Train Viewer+』は、お客さまへのサービス向上や地域活性化に貢献するものであり、今後広く普及を図ってまいります」としています。

【図】「Train Viewer+」配信のしくみ


LTE回線による無線化で、車両の電源のみで動作できるようになった(画像:総合車両製作所)。