「老後はソフトランディングを」と語る弘兼氏

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『黄昏流星群』『島耕作』シリーズなどで知られる漫画家の弘兼憲史氏が、9月9日に古希を迎えた。昨年上梓した『60歳からの手ぶら人生』では、「弘兼憲史、身辺整理始めました」と宣言。体の機能だけでなく、収入や交友関係など、さまざまな面で下降トレンドに入った60代に、サラリーマン時代の名刺やスーツといった持ち物を半分捨てて、人間関係についても身軽になることを勧めた。

 今の時代は70歳を過ぎても、平均余命から考えれば、あと10年、15年生きるのは当たり前だ。あと数十年生きると想定したら、新しい老後生活像を考え直す必要がある。

 弘兼氏は、60歳からの持ち物を減らすことを続けながら、70歳からは、自分の「死に方」を考えるのが大事だという。

「ガクンと落ちる人生じゃなく、スーッとなだらかにソフトランディングするようなエンディングプランを自分のなかで持っておくべきですね」

 エンディングプランといっても、目標を立てるようなことはしなくていい。

「若い頃のように、目標を立てて、達成したら次のステップに上がるという人生の段階ではありません。老後は下がっていくしかないのだから、ゆっくり降りていけるように工夫するのです。目標を立てて窮屈な残りの人生にするのではなく、緩やかに楽しむという発想ですね」

 70代の「死ぬ準備」を進めるなかで、意識を変えていくことがある。

「たとえばお墓について、残された子供たちの世代からしたら、田舎の墓参りにわざわざ行かないし、管理費など負担も大きい。宗教観や家を守ろうという考え方など人によっては違いますが、“死んだら終わり”と割り切って、お墓を建てないという選択もあると思います」

※週刊ポスト2017年9月29日号