小学生の頃、空腹でお腹が鳴るたびに「もう少しで食べれるから!」と、給食をモチベーションにしていた自分を思い出す。ただ、当然のように待ち望むことができていたのは、今思えば欠かさずに給食費を払ってくれていた両親のおかげだ。

一方で、担任の先生が給食費の支払期限を過ぎてから、「まだの人は早くね」と呼びかけていた光景も思い出す。大体いつも決まった人に呼びかけていたことを考えると「給食=嬉しい」という気持ちを持っていなかった子もいたのかもしれない。

お腹を満たすことは
「平等な教育」につながる

ニューヨークの公立学校の場合、昼食をとるにあたっての費用の悩みはなくなるだろう。なぜなら、今年度から公立の学校へ通うすべての子どもたちに無償で昼食が提供されるから。

デブラシオ市長は、政策の意図についてこのようにコメント。

「お腹が空いてしまっては、学びながら健康に育つことはできません。無償のランチは、ニューヨークにいるすべての子どもたちに、平等な教育をうけさせることにも繋がるのです」

以前は、1食あたり1.75ドルかかっていたというランチ。実はこれまでも、経済的困難などの理由で75%もの生徒の給食費が免除されたり減額されてきたという。ただ、「ランチを食べるお金がない」と申し出るくらいなら我慢してしまう子どももいるという声があり、今回の無償化が実現したらしい。これにより、さらに約20万人が恩恵を受けることになる。

実は、ランチを無償で提供するのはニューヨーク市が初めてではない。シカゴやボストンなどの都市でも行われているというのだ。ただ、今回は人口850万人以上の大都市で実施されるからこその驚きがある。

日本にもある「給食問題」
社会全体での取り組みを

日本でも、給食費についての問題が、しばしば取り上げられている。

文部科学省が調査した最新の未納者の割合は約0.9%。主な理由として、アメリカと同じように「経済的な問題」、そして「保護者の規範意識の欠如」が原因として挙げられている。このような問題に対処するため、国内でも一部の市町村で給食の無償化の動きが広まりつつあるようだ。

しかし、いくら理由が明確になっていても、この問題に根付く「家庭の事情」というものを、自立していない子どもが解決することは難しい。だからこそ、生徒の気持ちにまで配慮したニューヨークの動きは参考になるかもしれない。

給食は誰もが食べてきたものだからこそ、子どもの有無に関係なく社会全体で考えていきたいところ。とはいえ、無償化については「ばらまき」などの反対意見もあるため、慎重に進めていく必要がありそう。

Reference:The New York City Department of Education,The New York Times,The Department of City Planning,文部科学省,朝日新聞