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今回は久しぶりに中央区の銭湯を紹介したい。場所はJR・東京メトロ日比谷線「八丁堀」駅から徒歩5分。隅田川にかかるにも程近い「湊湯」は2010年にリニューアルした、デザイナーズ銭湯のひとつだ。オフィスビルや中型のマンションが並ぶ中、玄関先は完全に風景に溶け込んでいる。素通りしかけた人が風呂屋と気づき、物珍しそうに踵を返す姿は何度も見かけた。

○「光る壁」がお出迎え

黒で統一された入り口には重厚な自動ドア。入ってすぐに下足箱がある。錠はKING製の板鍵だ。左手にフロントがあり、正面突き当たりには脱衣所を表す紺色と朱色の長いのれんが垂れ下がっている。ちなみにこちら、男女の湯は週替わりになっており、訪問当日は男湯右、女湯左。ロビーにはマッサージチェアやドリンクケース、テレビと座るところが少しある。

のれんをかき分けるとこの銭湯の顔でもある「光る壁」がお出迎え。透明のガラスの向こうから水疱が湧き上がってくるような意匠で、四方からライトアップされておりキラキラと反射していて美しい。高級マンションのエントランスのような趣がある。

脱衣所はミニマルにシンプル。100円玉返却式のロッカーが2面。ほか、デジタル体重計やおむつ交換台、洗面台がある程度だ。平日の15時半頃の訪問で、相客は7〜8人おり、薄くジャズのメロディが聞こえてきた。

○万人に優しい温度の湯をデザイン空間で

浴室は奥に細長い。境目側に浴室、壁側にカランが並ぶレイアウトはどことなく関西風でもある。また間接照明を多用しており、シックな大人の安らぎ空間、といったところか。

湯はジェットバス、電気風呂付きの広めの浅風呂。それにやや温度が高い浅風呂と水風呂、ジェットバス。奥にはサウナ(別途料金)がある。サウナは男湯女湯でそれぞれ異なっており、高温で低湿度のコンフォートサウナと、低温で高湿度のロッキーサウナがある。

湯船は41度前後。やや熱い湯でも42度くらいなので老若男女入りやすい。カランには予め桶とイスがセット済みで、ボディソープ、リンスインシャンプー(泡で出るタイプ!)が備え付けられている。

決して広い銭湯というわけではないが、大きめの浅風呂と、統一された内装デザインで、実際よりもゆとりを感じるスペースになっている。右側・左側で湯の種類や壁材も異なっているので、週をまたいで2度来店すればまた楽しみ方も広がるだろう。帰り際はロッカーに入れた100円を忘れずに。

※イメージ図は筆者の調査に基づくもので正確なものではございません

○筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。