プサルラに勝利し笑顔を見せる奥原希望【写真:平野貴也】

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ヨネックスOP、「展開力」で難敵にストレート勝ち…試合後に挙げた完勝の要因とは?

 注目の一戦は、世界女王が制した。バドミントンの国際大会BWFスーパーシリーズ第8戦「ダイハツヨネックスジャパンオープン2017」は21日に各種目の2回戦を行い、女子シングルスの奥原希望(日本ユニシス)は、世界選手権の決勝で破ったプサルラ・V・シンドゥ(インド)をストレート(21-18、21-8)で破って準々決勝に進出した。第1ゲームは、互いに意地を張り合うシーソーゲームだったが、第2ゲームは、奥原の圧勝だった。

 見応えがあったのは、第1ゲームだ。前半は付かず離れずの展開で、プサルラが11-9でリードして折り返すと、試合の流れが激しく揺らいだ。先に引き離したのは、奥原だった。相手を前後に大きく揺さぶる展開でポイントを稼ぎ、際どい判定もチャレンジシステム(2回失敗するまでビデオ判定を要求することができるシステム)で自分のポイントにして6連続ポイントで15-11とした。ところが、プサルラも簡単には引き下がらなかった。179センチの長身を生かして鋭角のスマッシュ、ドロップで奥原を翻ろう。5連続ポイントで16-15と逆転した。

 すると今度は、奥原が走った。「少し点差が開いて、このゲームを(このまま)勝ちたいという気持ちになってしまった。でも、追いつかれたときに、勝つか負けるかよりも、1本1本、相手が何をしてくるのか、それなら自分はどうしようと考えられた。それで一度体の力が抜けて、1本ずつ駆け引きができるようになった」という奥原は見事に立て直し、ゲームを取るまで連続5ポイントで一気にゲームをものにした。

勢い与える展開を悔やんだプサルラ「保守的になってしまったことが問題」

 8月の世界選手権や、17日のスーパーシリーズ第7戦韓国オープン決勝で、ファイナルゲームまでもつれる接戦だったが、今回はストレートで勝負がついた。奥原は「相手は、攻撃が鋭い選手。きっちりと対策ができた。韓国オープンでは(自陣コートの)前から(相手コートの)後ろ、後ろから後ろに返す球が甘くなってやられてしまいましたが、今日はきっちりと後ろに返して、相手に(わざと)打たせて、走らせて、崩して攻めるという攻撃パターンが終始できた」と展開力を勝因に挙げた。1ゲーム目の最後は、相手を後方に追いやった後、相手がネット前に落とそうとした球に素早く走り込み、跳び付きプッシュを力強く打ち込んだ。

 ネット際に落とし込む球のコントロールに苦しんだプサルラは「大きな敗因は、単純なミスが多かったこと。4回も同じようなエラーを起こしてポイントを譲ってしまった。セーフティーにプレーしようと思って保守的になってしまったことが問題だと思う。少しのミスが大きな意味を持つと意識するきっかけになる」と相手に勢いを与えた展開を悔やんでいた。

 宿敵を破った奥原は、2年ぶり2度目の優勝へ突き進む。「点差はありましたけど、少し何か流れが変わっていたら、どうなったか分からない試合。最後まで集中し切れたことが良かった」とつけ込む隙を与えない戦いぶりでさらなる勝利を目指す。翌22日に行われる準々決勝では、ツァン・ベイウェン(米国)と対戦する。

平野貴也●文 text by Takaya Hirano