【ライターコラムfrom水戸】水戸ユース、県リーグ優勝! 結果で証明した育成のベースの高まりと継続性

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 9月17日に行われた高円宮杯U−18サッカーリーグ2017 IFAリーグ1部後期第17節水戸ホーリーホックユース対鹿島アントラーズユースBの一戦で、水戸ユースが鹿島ユースBを2対0で下し、1節を残しながらもリーグ優勝を決めた。

 序盤こそ鹿島ユースBのフィジカルを生かしたロングボール攻撃に苦しんだものの、安定した守備で対応すると、徐々に水戸がペースを握りだし、サイドからのスピード感あふれる攻撃で多くのチャンスを作り出していった。決定力を欠き、なかなか先制点を奪えなかったものの、79分に高い位置でのボール奪取からショートカウンターを仕掛けて先制点を奪うと、82分には左サイドからのクロスを蕎麥田龍也(3年)が決めてリードを2点に広げた。その後の鹿島ユースBの攻撃をしのぎ、歓喜の時を迎えたのだった。攻守で圧倒し続けた水戸ユース。優勝にふさわしいパフォーマンスを披露した。

「地道にやり続けたことが実を結びました」。試合後、樹森大介監督は安堵の表情を見せた。「難しい1年になる」と臨んだシーズンだった。昨年の3年生はトップ昇格を果たした中川洋介をはじめ1年生の時から主力として戦ってきた選手が多く在籍した、ある意味、水戸ユースにおける一つの「黄金世代」と呼べる代であった。彼らの卒業とともに新たな代を迎えたわけだが、ほとんどの選手が昨年まで主力としてプレーした経験がなく、「一からチームを作り直さないといけなかった」(樹森監督)。それゆえ、シーズン序盤は苦しんだ。開幕戦で鹿島ユースAに1対2で敗戦してしまう。それでも、「すごくまじめな子が多く、嫌なことでもしっかり続けてくれた」と樹森監督が振り返るように、どんなトレーニングでも選手たちは懸命に取り組み続けてきた。そしてチーム状態は上向いていき、勝ち点を重ねられるようになっていった。

 また、「僕だけではなく、クラブに育ててもらうことが大事だと思っています」と樹森監督は言う。ここ数年、ユース選手が頻繁にトップチームに参加するようになっており、今年も多くの選手が練習だけでなく、練習試合にも参加してきた。「加えて、今夏にはGKの木村豪(2年)がドイツへ、MF澤田大哉(2年)とMF平田海斗(1年)がブラジルへ短期留学を行った。そうしたチーム以外の活動が選手たちの刺激となり、チームも個も成長を遂げることができたのだ。

 育成において、大切なことは継続性だ。そういう意味で、「黄金世代」が抜けた次の代で、県リーグのチャンピオンになれたことに大きな意義があると言えるだろう。クラブとして育成のベースが高まっていることを証明する優勝である。

 ただ、この優勝は通過点に過ぎない。目標はあくまで「プリンスリーグ昇格」。12月に開催されるプリンスリーグ参入戦に勝利して、新たなステージへの切符をつかんでもらいたい。

文=佐藤拓也