「ダルマ家庭糸 細口 #30」(100m・150円〜・税別)/ダルマ家庭糸

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ダルマの印が品質の証!暮らしの中に手作りの楽しさを紡ぎ出す手縫い糸「ダルマ家庭糸」。人気の秘密と知られざる製造工程をご紹介!<※情報は関西ウォーカー(2017年5月23日発売号)より>

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「ダルマ家庭糸 細口 #30」(100m・150円〜・税別)。絹のような光沢と鮮やかな発色、毛羽が少ない滑りのよさで厚い支持を得る手縫い糸。綿素材の生地へのボタン付け、補修からパッチワーク、刺し子など幅広く活躍する。

■ 手縫糸の“顔”「ダルマ家庭糸」

縫箱を開けると、ふと目が合うちょっと強面のダルマさん。糸が巻かれたカードに付された印は、まさに手縫糸の“顔”として、全国の家庭で親しまれてきた。京都の絞り鹿の子商で修業した横田長左衛門が、糸の製造を始めたのは1901(明治34)年に遡る。

女性の和服が木綿から絹へ移り始めた当時、絹や毛織物にも適した糸の製造を目指し、誕生したのが、綿でありながら絹のように強くなめらかな「絹カタン糸」。糸の毛羽を焼き表面を整えるガス焼き、光沢と強度を増すシルケット加工、毎年の綿の作柄によっても染料の配合を変える染色など、細い糸の一本一本に職人の技と経験が撚り合わされている。ダルマ印は、その最高級品にのみ付けられる信頼の証だ。

■ 知られざる製造工程を紹介!

時代と共に針と糸を手にする人も少なくなるなか、近年はさまざまな手芸用品を展開する新ブランドを通して、手芸に親しむきっかけを提案。色とりどりの糸が紡ぎ出すもの作りの楽しみは、100年を超えて暮らしに寄り添い続ける。

<1>木綿の糸をシルケット加工する。滋賀工場で撚り合わせ、毛羽を焼いた糸の巻き束・綛(かせ)をシルケット機に。アルカリをかけ繊維を膨張させながら伸ばし、水と湯で洗浄。

<2>染色の前にまず糸を真っ白に!綛の不純物を除く精練を経て大きな釜で漂白する。まず染下と呼ばれる真っ白な糸を作ることが美しい発色の秘訣だ。

<3>染料を加えて色とりどりの糸に染める。染下を染色機に入れ、シャワー状に染料を循環させながら色を付けていく。約2時間かけて、ムラなく糸を染め上げる。

<4>滋賀工場で丁寧に検品して出荷する染色後の糸は脱水、乾燥を経て再び滋賀工場へ。綛をチーズに巻き直してからカードに巻く。巻き乱れなどを手作業で検品し出荷。

■ 「ダルマ家庭糸」ヒットの裏側

糸の色数は「56色」。時代に合わせて増加。微妙な発色の差も鮮明に再現する。また染色に使う1日の水の量は「100トン」以上。井戸水を染色に適した軟水にしている。

染色工程の前の滋賀工場では、糸表面の毛羽を焼くことで、なめらかに仕上がり、糸が通りやすくなる。

原糸の繊維を均一に膨らませて引き伸ばすシルケット加工は、美しい光沢と強度を生む重要な工程。

長年の伝統を受け継ぎつつ、新ブランド・DARUMA THREADを2013年にスタート。「裁縫道具や雑貨の展開を通して、手芸に親しむ機会を広げていきたいです」と、紫野工場長の山崎陽一さん。

■横田株式会社<住所:大阪市中央区南久宝寺町2-5-14(本社) 電話:06-6251-2183 創業:1901年 社長:横田宗樹 事業内容:縫糸、手編糸、手芸関連用品などの製造・販売 従業員数:103名(2017年現在)>【関西ウォーカー編集部】