アウクスブルクが1-0で勝利した試合後の一幕。バイアー(中央)からの握手をハーゼンヒュットル監督(左)は拒否した。(C)Getty Images

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 ベテランらしからぬ行動でひと悶着を起こしたのが、アウクスブルクの主将ダニエル・バイアーだ。
 
 9月19日に行なわれたRBライプツィヒ戦(ブンデスリーガ5節)の74分だった。1点をリードしていたアウクスブルクは、自陣深くでフィリップ・マックスがファウルを犯してFKを与える。このピンチをしのぎクリアボールを拾ったバイアーだが、エミル・フォシュベリと交錯して転倒。ファウルを主張したが、主審の笛はならなかった。
 
 問題だったのは、その直後の行動だ。タッチライン際にいたRBライプツィヒのラルフ・ハーゼンヒュットル監督に向かって、なんと「自慰行為」を示唆するジェスチャーで挑発したのだった。
 
 二人の間でどのような口論があったのかは明らかになっていない。それでも、バイアーのジェスチャーはプロスポーツ選手としてのモラルが欠けていたのは明らかで、33歳のベテランとも思えない幼稚な行為だった。試合後にハーゼンヒュットル監督がバイアーとの握手を拒否したのも当然だった。
 
「本当にタフな試合で、つい感情が昂ってしまったんだ。フットボールの世界じゃよくあることだし、試合が終わればみんな忘れてしまうものさ。ただ、彼(ハーゼンヒュットル)は僕との握手を望まなかったけどね」
 
 バイアーが冷静にそう語る一方で、怒りが収まらなかったのがハーゼンヒュットル監督だ。
 
「いくら感情的になったとはいえ、あんな行動はピッチ上で見たことがない。レフェリーがちゃんとチェックしていれば、即退場だったはずだ。謝られても、私は許すつもりはなかった」
 
 こうした指摘を受け、自身の振る舞いを顧みたのだろう。バイアーは試合の翌日に、インスタグラムに次のようなメッセージを掲載した。
 
「昨日の夜はキャプテンとして相応しくない行動をしてしまった。理由は自分でもよくわからないが、気分を害してしまったすべての人に謝罪したい」
 
 事態を重く見たDFB(ドイツ・サッカー連盟)のスポーツ裁判所も、1試合の出場停止に加えて2万ユーロ(約267万円)の罰金という処分を下した。
 
 監督やチームメイトの信頼が厚く、ピッチ外では人種差別撤廃運動に積極的な人格者として知られていたバイアー。失った信頼を取り戻すためにも、今後の奮起に期待したい。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部