Boris・Atsuo、『ギミー・デンジャー』トークイベントに登壇 「日本人全員に観てほしいくらい」

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 BorisのAtsuoが、9月20日に東京・新宿シネマカリテにて行われた映画『ギミー・デンジャー』の大ヒット記念トークイベントに登壇した。

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 『ギミー・デンジャー』は、イギー・ポップがフロントマンを務めたバンド、ザ・ストゥージズを追った、ジム・ジャームッシュ監督によるドキュメンタリー。トークイベントに登壇したAtsuoは、ジャームッシュ監督が手がけた『リミッツ・オブ・コントロール』に楽曲を提供し、2010年にはジャームッシュがキュレーターを務めたフェス、ATP New York 2010にも出演している。

 上映後に登場したAtsuoは、客席で映画を再度鑑賞していたといい、「この映画だけで完成しているわけではなく、やはりストゥージズのアルバムがあっての映画。映画を観た後にまたアルバムを聴くと聞こえ方も変わってくるのでは」と述べ、「ストゥージズのドキュメンタリーが作られたということだけで歴史に楔を打ち込んだと思います。ジムの心意気を感じました。世界一ロックを愛している彼でないと作れない」と感想を述べた。

 Atsuoは、ストゥージズとの出会いが高校生の時に好きになったバンド、ダムドがきっかけだと明かしながら、「ダムドもその後好きになったニック・ケイヴも、ストゥージズをカヴァーしていた。ロックを掘っていくと行きつくところがストゥージズでした」とコメント。さらに、「シンプルだけに色んな現象を呼び込んでいる楽曲で、聞けば聞くほど魅力的に聞こえてくる」と、激しいだけではなく現代音楽からも影響を受け、かなり実験的なこともやっていた、そのサウンドの魅力を語った。

 そして、ジャームッシュがキュレーションを務めた2010年のATP(All Tomorrow’s Parties)について、「ホテルのようなところを貸し切って泊りがけで参加するフェスで、極端に言うと旅館の宴会場みたいなフェス(笑)。いわゆるロックフェスではなくあったかい感じ」と独特な雰囲気であったことを語り、そこで見たストゥージズの「ロー・パワー」完全再現ライブが「素晴らしかった」と絶賛。Atsuoとイギーは実際に面識はないが、イギーが自身のラジオ番組でBorisの曲をかけたことがあり、親交のあるマイク・ワット(ストゥージズのメンバー)を通してイギーにニューアルバム『DEAR』を送ったところ、「Dear Boris, I love your music. Happy “Dear” anniversary.」と、アルバムタイトルにひっかけた粋なコメントが届いたことも明かした。

 ジャームッシュ監督が「Borisはこの地球上で最も偉大なロック・バンドのひとつ」と称賛のコメントを寄せたことについて、Atsuoは「ライブバンドと言ってくれたことが本当にうれしい。バンドってなかなか理解されない。結婚でもないし、友達でもない。特殊な生き方だと思う。ジムもバンドをやっているのでバンドの不思議さや面白さをわかっているのでは」と嬉しさを滲ませ、「公開中の『パターソン』も観ましたが、ニュートラルな感じ。落ち着いてて優しくて、作品そのものですね」と語った。

 さらに、「どんな人に本作を観てほしいか?」という質問には、「“ロックバンドとは?”を描いている映画。ロックバンドはなかなかわからないもの。日本人全員に観てほしいくらい。今日本ではロックの入り口が少ないと思うんです。この映画を、ストゥージズを、ロックの入り口にしてくれるといいな」と答え、締めくくった。(リアルサウンド編集部)