都内のキャバクラで今、激しい“キャッチ抗争”が繰り広げられている。中でも激戦の東京都内ではホステスの取り合いで、警視庁の悩みの種になっているという。
 「都内のキャバクラは一説には1000軒以上、在籍するキャバ嬢も約2万人いるとされるが、実際のところは把握できていません。その中で、売り上げがある人気キャバ嬢は、いい条件の店に引き抜かれる。すると、男性スタッフだけではなく、その子のお客さんも動く。これは高級クラブのホステスと似ていますが、違う点は客引き=キャッチも一緒に動くことが多いという点です」(夕刊紙記者)

 大型店のキャバクラともなれば10人程度のキャッチを雇っているというが、彼らが他店と客の奪い合いでトラブルを起こすことが絶えないという。
 「公表はしていないが、ここ数年で続出している。2年前には上野のキャバクラのキャッチが硫酸をかけられる事件があった。やられた側も仕返しに硫酸をかける始末で、収拾がつきませんよ」(マル暴捜査関係者)

 上野だけではない。最近では、赤坂や六本木でもそのような抗争が頻発している。
 「六本木では、元暴力団組長の倅が経営する店にライバル店のキャッチ十数人が乱入して暴行を働いた。麻布署が、襲ったキャッチ11人を出頭させたのですが、暴行を加えた犯人が特定できないために、いまだ事件化されていないんです」(捜査関係者)

 六本木と言えば、飲食店で歌舞伎俳優の市川海老蔵が巻き込まれた暴行事件や、クラブ『フラワー』(当時)で襲撃事件を起こした『関東連合』などを連想するが、乱入したキャッチは、そのような半グレ集団にも属していないという。
 「六本木や麻布、渋谷を拠点にしていた半グレ集団の『関東連合』や、中国残留孤児で構成される『怒羅権』は、警視庁が“準暴力団”に指定したこともあって、すでに壊滅状態にある。キャッチはその残党かと思われがちですが、どうやら違うようなのです」(所轄の捜査関係者)

 前出のマル暴捜査関係者はこう言う。
 「キャッチ集団は一組10人以上。そのバックには関西系の暴力団がついていることは間違いなく、結局はキャバクラが暴力団の資金源になっている。根本を排除しなければ抗争はなくなりません」

 一般客が巻き込まれることはないとは思うが、気を付けるに越したことはない。