Rettyグルメニュース

写真拡大 (全13枚)

 

 

東京千代田区・神保町エリア。ラーメンやカレー、うどんなど人気グルメがひしめくこのエリアで、オープン直後にも関わらず連日行列をなしている話題の店が、蘭州ラーメンの専門店「馬子禄 牛肉麺」(マーズルー・ギュウニクメン)だ。

中国で愛される本格派「蘭州ラーメン」とは

 

蘭州ラーメンとは、中国は甘粛省の蘭州市で100年以上もの歴史を持つ、牛骨スープをベースにしたラーメンのこと。日本におけるマクドナルドや吉野屋などにあたるような、中国のファストフードの代表格として現地で古くから親しまれている。

中国全土では5万軒以上の専門店があるが、その中でも中国政府から本物の老舗だけに与えられる「中華老字号」(ジョンファ・ラオズハオ)という称号を、唯一持つのが「馬子禄」。こちらのお店「馬子禄 牛肉麺」は、その「馬子禄」から正式にブランド名を使うことを許可された日本第一号店なのだ。

今回は、特別に調理工程も取材させてもらった。

異例の弟子入り、そして日本へ

 

力強く麺のもととなる生地をこねているのが、同店の店長・清野烈さんだ。大学時代、北京で過ごした清野さんは、現地で食べた蘭州ラーメンの虜になったそうだ。

日本に帰国後、大手飲食会社に勤務し、火鍋の有名店でも店長をつとめた。それまで日本でマイナーだった「火鍋」が、ブームになっていくのを目の当たりにした清野さんは、自分が惚れ込んだ蘭州ラーメンも日本人に受け入れられるのではないかと一念発起。再び中国に渡り、蘭州ラーメン店を食べ歩いた中で、自分の舌で一番旨いと思った「馬子禄」に弟子入りを志願。

しかし、そこは有名老舗店。すぐさまOKは出なかった。清野さんは、一度決めたら諦めない不屈の精神で、3年以上かけて何度も足を運ぶ。やがて、その情熱により「馬子禄」での修業を認められることになったという。

蘭州ラーメンは、元々イスラム圏に近い場所で生まれたこともあり、豚肉ではなく牛肉を使っている。そのため、これまでは「馬子禄」では、イスラム教徒の信頼できる人間にしか、暖簾分けをしてこなかったそう。厳しい条件下の中で、清野さんは熱心に修業を続け、ついに日本で「馬子禄」ブランドの使用が認められたのだ。

蘭州ラーメンは、まず麺の種となる生地を、油を使ってこねていくのが特徴のひとつ。油をつかうのは、麺の中の水分を揮発させず、モッチリとした食感を生み出すためだそう。

注文を受けてから製麺する、こだわりの手延べ麺

油をつけこねた生地を、1人前ごとに切り分けて、ここから手延べの工程に移る。

蘭州ラーメンの麺は、平たく伸ばして包丁で切るのではない。1人前ごとに、手延べで食べやすいサイズまで伸ばしていくのが特徴だ。同店では、細麺、平麺、三角麺の3種類が選べる。麺は、オーダーを受けてから丁寧に製麺する。

手打ちの生麺は、わずか30秒ほどで茹で上がる。特製のスープの中に麺を沈めたら、ここに牛肉、煮込んだ牛すじ、パクチー、大根、葉ニンニクを乗せ、自家製ラー油を入れて完成となる。パクチーが苦手な人は、オーダー時にあらかじめ「パクチー抜き」と伝えることも可能。逆に、追加トッピング(120円)でパクチーを大盛りにもできる。

スッキリだけど深いコク。スパイシーにモッチリが絡む

赤と緑のコントラストが、なんとも美しい。1人前880円。同店のメニューはこの1品だけと潔い。透き通ったスープに浮かぶラー油で、胃袋から食欲が湧き上がる。

スープは牛骨の旨味がぎゅっと濃縮されてコクが深い。それでいてスッキリとした味わいだが、スープが喉を通りすぎる頃には、スパイシーな味わいが口いっぱいに広がる。

馬子禄のスープは、牛骨と複数のスパイスを長時間煮込んで作られる。その日の気温や材料によって煮込む時間は変えるそうだが、長い時間コトコトと煮込むことで、牛骨からコクが生み出されるとのこと。

麺の上に盛り付けられた牛肉も、また美味。トッピングで肉大盛り(200円)も可能で、ガッツリとパワーをつけたい人はお試しあれ。

そして、この麺。手打ち麺ならではの無骨な見た目だが、口に含んだ瞬間に感じるモッチリとした食感に、おもわず頬が緩む。一般的なラーメンや、うどんのようなコシではなく、モッチリという表現がぴったりで、口の中でスープと良く絡んだ麺が、味わいで舌を埋め尽くす。

パクチーは、そこまで好んで食べない筆者。しかし、こちらのスープにはパクチーが良く合う。苦手な人も一度、パクチー入りで味わって欲しいと思うほどだ。

そして、味の決め手は特製ラー油だと言っても過言ではないだろう。ラー油によってギュッと味がしまり、全体的な味わいはスッキリだが、深いコクをさらに呼び覚ます。

思わずスープを飲み干してしまった。モッチリとした麺は、男性でも十分な満足感が得られるだろう。

もし神保町エリアを訪れたなら、ぜひ一度は訪れてみて頂きたい店だが、仕込みに手間がかかるため、1日で提供できるスープの量には限りがある。夜の部を待たずして完売が連日続いているとのこと。来訪するなら、早い時間を狙うのが吉だ。

 

https://retty.me/area/PRE13/ARE11/SUB1104/100001354027/

 

 

ライター紹介

黒宮丈治

1978年生まれ、福岡県出身。30種以上の職を渡り歩いた後、フリーライター/プランナーとして活動。取材&インタビュー記事を中心に、エンタメからグルメ、ビジネスまで幅広く執筆。食べ物写真を掲載したTumblrブログ・飯写はフォロワー12万人超のフォロワーを持つ。Yelpエリート。Instagramでの食べ歩きフォトのほか、自ブログでグルメ記事も更新中。 ・Instagramはこちら