犬のしつけとは

「しつけ」は「身」を「美」しくする、と書きます。犬のしつけは、人間社会のルールを教え、人間社会で生活しやすいように教育することです。
時々、しつけと訓練を同じ意味合いでとらえている飼い主さんも多いですが、しつけは教育で、訓練は、犬の意思をなくして強制的に行うものです。

犬の基本服従訓練とは

しつけ教室、しつけ本などでよくあるのが、基本服従訓練と呼ばれるものです。これは、「(人の左に)付け」、「来い」、「座れ」、「伏せ」、「待て」の4つです。

犬を人の左につけるのは、諸説ありますが、狩猟民族が右手で武器を操作することが多いので、反対側の左に犬を連れていたというものが有力です。

犬にとって最重要なしつけ

私が考える、最重要なしつけは、基本服従訓練の中にもある、「待て」と「来い」です。これができていれば、大切な愛犬をトラブルから守ってやることができるからです。

「待て」

よく飼い主さんとお話をしていて、マテの重要性を話していると、「うちの子、待てできます。」とおっしゃる方が多いです。ですが、詳しく聞いてみると、ご飯の前の待てしかできない犬が多いです。

「待て」は、飼い主さんが指示を出したら、いついかなる状況でも待たなくてはなりません。たとえばボールを追いかけていて道路に飛び出しそうになった時に、「待て」の指示を出せば、犬は道路に飛び出さずに済みます。

「来い」

「来い」は、飼い主さんが指示を出したら、速やかに飼い主さんの元へ行かなくてはなりません。(この時「付け」ではないので、飼い主さん正面でもどこでも構いません。)

これも、散歩中ヒモが切れてしまったなどのトラブルで、犬が遠方へ行ってしまった場合、呼び戻しで使います。どちらも完璧にできていれば、犬を事故から守ってあげることができます。

犬への指示語は英語?日本語?どっちがいいの

犬に出す指示で、英語を使う方がいますがあまり良いとは思えません。

なぜなら英語は使役犬(盲導犬、聴導犬、介助犬、警察犬など)のハンドラーが使うからです。周囲に使役犬がいないとも限りませんので使うのは控えましょう。

指示語は日本語が良いです。日本語は、同義語、類義語のように、表現がいくつかあります。(「座れ」であっても、「おすわり」「すわれ」というように)ですから、犬の混乱を避けるためにも、指示語は家族で統一するようにしてください。

「待て」の教え方

基本的に犬には指示をわかりやすいように、声(声符)、手(指符)、ショックの3セットで教えていきます。

声(声符):「待て」
手(指符):右手のひらで犬の鼻の前の空気を押す動作をします。
ショック:リードを地面と平行に横に軽く引き犬の注意をこちらへ向けます。

最初は室内から

まず、室内から始めます。公園などの外で行うと、犬の気が散るものが多いからです。

リードを付けて左側に座らせる

犬に首輪とリードを付けた状態で、犬を人間の左側に付けておき、「待て」を指示します。リードは左手で少し余裕をもって持っておきます。この時、座らせておいた方が、動く時に立ち上がるので、犬が歩き始める前に止めることができます。

待てをしたまま人が動いてみる

人の隣に大人しく少し待っていたら、「待て」を解除してから褒めてあげます。それができるようになったら、リードを持った状態で人が少し右へ動いてみましょう。

この時に、リードを引っ張ってはいけません。犬が動いてしまいます。待ってられたら、人が元の位置に戻り、解除して褒めてあげましょう。

それができるようになったら、リードを持った状態で犬の前に動いてみたり、犬の周りを一周したりしましょう。

次の段階で、リードを長いもの(2m以上が好ましい)にして、同じようにします。それができるようになったら、リードを伸ばした状態で置いて、動いてみましょう。

外でやってみる

家の中でこれができるようになったら、気が散る要因の多い外で行います。どの段階であっても、犬が動こうとした時に、再度声と手の指示を出しましょう。

「来い」の教え方

マテがある程度できるようになったら、「来い」を教えましょう。

声(声符):「来い」
ショック:リードを地面と平行に横に軽く引き犬の注意をこちらへ向けます。

最初は室内で

これももちろん、初めは家の中で行います。犬を座らせて待たせた状態で、リードを引っ張らないように、犬の正面に立ちます。

リードを軽く引っ張る

犬に「来い」と声をかけ、リードを軽く地面と平行に引っ張ります。尻込みしてしまうようであれば、しゃがんで目線を合わせましょう。犬が来たらたくさん褒めてあげましょう。

外でやってみる

これも、初めは短めのリードで行いますが、徐々にリードを長くしていきます。できるようになったら、そして気の散る要因の多い、外で行います。

教える時間は短めに

どちらの教育も、犬の集中力が切れる前に褒めて終わりにしてあげるようにしましょう。だらだら行っても犬は飽きてしまいますし、勉強が嫌になってしまいます。

犬の集中力はおよそ15分程度といわれているので、毎日欠かさず行いましょう。

まとめ

いかがでしたか?どこへ連れて行っても、恥ずかしくないように飼い主さんは努力が必要です。

また、最低限のしつけは犬の身を守ることにつながりますので、是非とも教えてほしいです。