NHKの鉄道紀行番組シリーズでおなじみの、俳優の関口知宏さん。「旅人」のイメージが強い関口さんですが、じつはDIYが得意で、セルフリノベーションしたこだわりの家にお住まいだそう。旅に出ていないときは、この家で作業することが多いといいます。「旅から帰って音楽をつくったり、絵日記をまとめたりするためにDIYをした」というご自宅にお邪魔し、そのこだわりを取材してきました。


センス炸裂!築30年超のマンションを、和洋折衷にリノベーション

関口さんは、あえて東京を離れ、静岡県内にある築30年超のリゾートマンションに住んでいます。センスあふれる和洋折衷の空間には、すみずみまで関口さんの手が入っていますが、「昔のリゾート仕様なのが当初は嫌で、収納も圧倒的に少なく、気に入って住むことにしたわけではなかった」そうです。


「あくまでも一時の住みかと思っていたのですが、なんだかんだで今に至ってしまいました(笑)。なので収納くらいつくろうと、もともとリビングにあったバーカウンターの下につくることにしたのです。やってみたら、これがビギナーズラックというか、思いのほか完璧にできて(笑)」。


対面式キッチンのダイニング側に設けられていたバーカウンターの下部に、市販の収納家具を設置。ただし全面にこの家具を入れたら「幼稚園のように子どもっぽくなってしまう」ため、一部はオープンな棚にしてバランスをとっています。この収納が真っ白だったため、部屋全体がくすんで見えるように思え、今度は壁紙にも手を入れることに。「壁紙がかなり黄ばんでいたので、壁紙の上から漆喰を塗りました。すると、今度はテレビの周りの配線が目立つようになってしまい…」と、リノベーションが止まらなくなってしまったんだとか。


汚れていたクロスの上から塗ったという漆喰の壁。わざと無造作に仕上げてラフな雰囲気にしているそうです。


テレビの周りに出ているコードを隠すためにつくったというテレビ台。飾り板はアジアン雑貨のお店で購入し、白く塗装して取りつけました。内部には棚が設けられ、細かいものも収納しやすくなっています。インドア派だからこそ、旅の経験が糧に

「鉄道の旅の番組をやっていますが、じつはまったくのインドア派」という関口さん。この家には、音楽製作のための楽器収納部屋も完備されています。


「来宮博せ(きのみやはかせ)」の名で行っている音楽製作は、自分ひとりでゼロから音を打ち込んでつくり上げていくスタイル。楽器の演奏はほとんどできないので、一音一音弾いて、それを録音していくので膨大な時間がかかり、必然的に家にいる時間が長くなるそう。「必要な音を出すために楽器を買っていたら増えてしまい、楽器収納部屋をつくりました」。

それにしても関口さんがインドア派とは意外な事実ですが、だからこそ、旅をとおして体験し得たこと、学んだことは数多くあったといいます。
「あの番組も、僕が旅の達人とかじゃないからこそ、おもしろいと思って観てもらえたんじゃないかな。また、旅をすることで、家でなにをするのか、なにをしたいのかを、あらためて確認できました。ちなみにこの家のリノベーションは、仕事の合間のたまたま暇だった1か月半を利用して行ったのですが、リノベが終わった翌日から、旅の仕事で何か月も家に帰ってこられない日々になってしまったんです。リノベをしたら仕事がやってきて、人生の転機が訪れてしまったような気がします」。


数々の旅をとおして体験したこと、見たり触れたりしたものは、部屋のインテリアにも存分に反映されているようです。リビングの中央に置かれている存在感のあるローテーブルは、アンティークの蔵戸を天板として使用したもの。継ぎ目のない一枚板なので、見た目に美しいだけでなく、作業をしたり仕事をしたりするときにも使いやすそう。


自作の収納カウンターにずらっと並べられていたネイティブアメリカンの壺。旅先で買ったのかと思いきや、吉祥寺で購入したものだとか。

いかがでしたか? 今回紹介した関口さんのお宅は、『リライフプラスvol.26』(扶桑社)にも掲載されています。詳しく知りたい人は、こちらもチェックを!

【関口知宏さん】
1972年、東京都生まれ。父は司会者で俳優の関口宏、母は元歌手の西田佐知子。大学卒業後、俳優デビュー。2004年からNHKの鉄道紀行番組に出演。著書に、旅の絵日記をまとめた『関口知宏のヨーロッパ鉄道大紀行:オランダ、ベルギー、オーストリア、チェコの40日間』(徳間書店刊)など

<撮影/山田耕司 取材・文/ESSE編集部>