『ひよっこ』いじられキャラの“ヤスハル”が話題に 古舘佑太郎の哀愁ただよう魅力

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 9月7日放送の『ひよっこ』(NHK総合)で、写真と声のみの出演、しかも一瞬の回想によるインサートであったのにも関わらず、結果Twitterのトレンドに入るほどに強烈なインパクトを残した人物がいる。それが柏木堂の一人息子、柏木ヤスハル(古舘佑太郎)だ。

(参考:島崎遥香が語る、『ひよっこ』由香役に対する葛藤 「自分と似ているからこそ、とても難しい」

 『ひよっこ』は、ヒロインであるみね子(有村架純)を中心として物語を描きながら、その周りの一人ひとりの背景にも深いストーリーが用意されているのが魅力の一つである。これまでにも、女優の夢を追いかけるみね子の幼なじみの時子(佐久間由衣)、面倒くさく不器用にも自分の生き方を探す由香(島崎遥香)、みね子の父・実(沢村一樹)に出会うことで人生が大きく動いていく女優の世津子(菅野美穂)を軸として物語が描かれてきた。

 みね子の叔父の宗男を演じる峯田和伸(銀杏BOYZ)、あかね荘で暮らす早苗(シシド・カフカ)と、バンドマンが多く出演しているが、ヤスハルを演じる古舘佑太郎もバンド「The SALOVERS」を経て、現在は新たなバンド「2」として活動をしている。そのような彼のキャリアもあり、劇中ではギターの弾き語りを披露するシーンも多い。ビートルズ来日を描いた週では、「A Hard Day’s Night」のイントロのコードを。漫画家コンビがあかね荘に帰ってきた時にはザ・ジャガーズの「君に会いたい」を。時子にはリクエストされた黛ジュンの「恋のハレルヤ」。好意を抱く由香とみね子が自身の陰口を叩いているところ(“本当はイイやつ”と前置きしていることを彼は知らない……)を聞いてしまった時には、マイク眞木の「バラが咲いた」を弾き語っていた。暗がりの中、裏天広場で歌うその姿には、哀愁が漂う。

 冒頭で、記載した「ヤスハル」というワードがトレンド入りした回では、みね子と秀俊(磯村勇斗)と共に「世津子救出作戦」に臨むものの、一人置いてけぼりにされ、裏天広場にて世津子の歓迎会を開いているところにヤスハルが大きな物音を立てながら帰ってくる、というオチに使われる。どこまで行っても、「ヤスハル……」と呆れられ、報われないヤスハル。オドオドしていて、根暗な面が目立つ彼だが、みんなからいじられ愛されるのは、あかね坂の一人ひとりに気を配ることができる人物だから。それは決して目立つことのない、陰ながらであるものの、あかね坂のみんながそれに気づいている。彼の反抗的な態度は、相手を気遣うあまりの裏返しなのだ。

 古舘佑太郎は、まだ俳優としてのキャリアは豊富ではないものの、10月7日公開の映画『ナラタージュ』、11月3日よりスタートする『赤ひげ』(BSプレミアム)。10月21日に公開の映画『笠置ROCK!』では主演を担当し、2018年夏にはミュージカル映画『とってもゴースト』への挑戦と、俳優としても大きく羽ばたこうとしている。今では、俳優としても軌道に乗った峯田の次を担う人物として、バンドとの二足の草鞋を履いていく存在になるのかもしれない。

(渡辺彰浩)