会社における最低限の人間関係とは?専門家を直撃

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学生時代と異なり、社会人になると、苦手なタイプの人間とも上手にやっていく必要がある。その場合、よく「最低限の人間関係を保てばいい」といわれるが、実際にはどの程度の付き合いのことをいうのだろう。「教えて!goo」にも「会社でよく最低限の人間関係といいますが、具体的にどこまでの人間関係のことを一般的にさしているのでしょうか?」という質問が寄せられている。明らかに馬の合わない相手に対し、波風が立たない関係を構築するにはどうしたらよいか、キャリアカウンセラーの笹木正明さんに聞いてみた。

■深く交わる必要はないが、孤立してはならない

笹木さんはまず、社内で孤立しないことが大事という。

「会社で働く目的は人それぞれですし、もちろん、さまざまな性格の人がいます。その中で仕事を円滑に進めていくためには、『孤立すること』を避けなければいけません。つまり『会社で孤立しないお付き合い』が『最低限の人間関係の構築』につながります。

深く交わる必要はないが、孤立してはならない。それはどういったことなのか。

「具体的にいえば、同僚や上司、同じ部署で働く人たちに対して、普段の挨拶、業務にかかわる連絡などを欠かさない。また、対人面では表面的な付き合いに過ぎないからといって、当事者のいないところで悪口をいう、噂話に興じるといった行為はやめたほうがよいでしょう」(笹木さん)

関係が薄いのはよいが、それを途絶えさすような行為は好ましくない。仕事面においても、「遅刻をする、約束を破る、連絡や報告を怠る」といった行動をすると、信用を失い、人間関係を築く前に誰からも相手にされなくなる可能性があるという。最低限の人間関係を考える際には、日頃の勤務態度を顧みることが必要かもしれない。

■最低限の付き合いだけでも非難されない立ち振る舞い

最低限の人間関係を望む人の中には、社内行事や飲み会が苦手で、なるべくなら遠慮したいという声もあるだろう。しかし、ただ断ると「あの人は協調性がない」などのレッテルを貼られる可能性は否めない。それを防ぐにはどうすればよいのだろうか?

「挨拶や業務連絡の徹底といった基本的なコミュニケーションをはじめ、先ほど述べた、対人面、仕事面で孤立しないための注意点を守り、人間的にマイナスイメージを持たれないように努めることです。また、時には自分から業務や職場のトラブルを見つけ、問題解決に協力すれば、周囲の見る目も変わってきます」(笹木さん)

いざという時、頼りになる人は、多少飲み会などを欠席しても、非難されにくくなるとのこと。

■「最低限の人間関係」が通用する人、しない人

「自分とは本質的に上手くいかない」「どこまで行っても平行線」と感じる相手とは、「最低限の人間関係」を続けたいもの。しかし、状況によっては、それが通用しないケースもある。

「業務に支障があるというなら別ですが、気の合わない相手が同僚の場合、最低限の人間関係の中で付き合っても問題ないでしょう。会社は仕事をするところですから、面倒な人間関係に煩わされる必要はありません」(笹木さん)。

ただし、「相手が上司だと状況は変わる」と笹木さんは注意を促す。

「仕事志向の上司は、人間関係よりもその人の成績や能力を評価するようです。しかし、協調性を重視する上司だと、『最低限の人間関係』で接する部下に対し、不満を抱いても不思議はありません。上司は人事権を持っていることも多く、社員の出世を左右することができます。付き合い方で評価が下がってしまわないよう、上司がどのような人間関係を望んでいるかを把握しておくといいでしょう」(笹木さん)。

挨拶と礼儀を欠かさず、自分の仕事はきちんとするだけ。同僚には通用するそんな「最低限の人間関係」も、上司からすれば「付き合いが悪い」と評価されても不思議ではない。相手の性格や立場、そして社風に応じ、臨機応変で悩みの少ない人付き合いを心がけたいものである。

●専門家プロフィール:笹木正明
キャリアカウンセラー。大学時代にレスリスバーガーの「人間関係論」を勉強。会社勤務しつつ、40歳から転職相談業務に従事。57歳で退職後、放送大学大学院修士全科生として入学。68歳まで人材紹介会社に勤務。現在は放送大学の学習センターでボランティアの学習相談を務める。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)