中野誠也は72分のシーンに誤審疑惑よりも、成長を感じたと明かした。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[天皇杯4回戦]筑波大 0-2 大宮/9月20日/カシマ
 
 1点ビハインドで迎えた72分、ジャイアントキリングを目論む筑波大にビックチャンスが訪れた。相手のパスミスを誘発すると、ボールが中野誠也の足もとに渡る。中野は相手DFをかわして右足を振り抜くが、シュートはクロスバーを直撃。ゴールとはならなかった。
 
 筑波大の最大の決定機となったこのシーンだが、映像でよく確認をすると、ボールがゴールラインを割っているようにも見える。微妙な判定を当の本人も試合後に振り返った。
 
「自分としては良い形でシュートまで持ち込めて、シュートの感覚も悪くなかったが、イメージとしては入っていない。相手GKの塩田さんが良い反応をしていたし、かき出されたのかなと。それだけに、先ほど映像で見てしまって、入ったようにも見えたことで、逆にモヤモヤしている。第5審がいたので判断をしてほしかったけど、難しいシーンだったし、人がやっていることなので仕方ない。自分が良いコースへ綺麗に決めていれば良かった。自分の力不足だった」
 
 微妙な判定に悔しさを滲ませつつも、自らの力不足と言う。しかし、72分の“ワンシーン”に背番号11は、天皇杯の快進撃を経て成長があったと明かした。
 
「仙台戦は(相手のレベルに)なかなかついていけなくて、ブロックされることが多かった。でも今日はあのシーンで言ったら、一個(相手DFを)外すというところはできてきている。自分としては、少し積み上がってきている実感はある」
 
 やはり、天皇杯でJリーグ勢と戦った4試合の価値は大きかったようで、充実の表情を浮かべながら、「プロに通用したこと、しなかったこと」を話し続ける。
 
「自分のストロングポイントの裏への飛び出しとそのタイミングは、通じる部分が多かった。そこは自信につながった。一方で抜けたな、というシーンでも、プロの方々は一個早く詰めてくる。それは体感できただけでも成果だと思う」
 
 来シーズンの磐田加入が内定している中野にとって、プロと対戦した天皇杯は貴重な経験だったに違いない。「課題はまだまだある。でも、逆にそれが楽しい」と語るその姿からは、さらなる活躍に期待が膨らんだ。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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