キレキレだった三笘だが、自己評価は厳しかった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[天皇杯4回戦]筑波大 0-2 大宮/9月20日/カシマ
 
 敗れはしたものの、筑波大の三笘薫は眩い輝きを放っていた。
 
 4-2-3-1の左サイドMFで先発した背番号9は、鋭いドリブルで相手を翻弄。大宮のディフェンスはファウルでしか止められないほどで、15分にセットプレーから野口航が放った決定的なヘディングも、FKを得たのは三笘だった。
 
 さらに時折、トップ下にポジションを移しては、スルーパスからのチャンスメイクも光る。危険な存在となる俊英ドリブラーにオレンジの守備陣は釘付けだった。試合後には敵将の伊藤彰監督も「良いパフォーマンスを見せていた」と称賛したほどだ。
 
 しかし、当の本人は違った。試合後には、
 「プロとの差を感じた。最後の決めるか、決めないかのところで、力の差が出たのかなと」
 
「ドリブルを仕掛けて惜しいシーンもあったが」という報道陣の問いかけにも、
 「ゴールに結びついていないので、効果的なプレーではなかった。判断のスピードがまだまだ遅い。プレースピードを含む色んなスピードと、フィジカルがまだまだ足りない。磨いていきたい」と反省しきりだ。さらに言葉を続けるが、試合の振り返りは細部にわたる。
 
「前半はもっと顔を出すべきだった。ボールロストも多かったですし、自分としてはもっとできたというのが本音。前を向く回数が少なかったし、一回でボールを止めれていないので、技術のところも無駄な部分が多い。もっと楽にプレーできる。動き過ぎで、力が入りすぎ。周りを見てプレーできれば、ポジション取りで相手を外せた。無駄な動きが多かった」
 一見、高いパフォーマンスを披露しているようにも見えるが、三笘にとっては「まだまだ」。しかし、そこにはある意識が宿っているからと口を開く。
 
「今後プロになるには、(J1クラブが相手でも)もっとやらなければいけないと思う。これ以上をベースにしていかなければならない」
 
 見据える先はあくまでプロ。9月14日に特別指定で、アカデミー時に在籍していた川崎での加入が決まり、その意志は強まるばかりだ。
 
「特別指定になって、フロンターレのサポーターもそうですけど、Jリーグでどれだけやれるかを見られている。周りの目が少し変ってきているので、ミスを少なくしたいし、基準を上げていく必要がある。フロンターレは愛がある育ててくれたクラブなので、恩返しをしたい気持ちで特別指定に決めた。どんな大会でも呼ばれれば、成長できる。チームに貢献したい」
 
 最後に天皇杯敗退で悔しさもあるが、“ジャイアントキリング”を経たことで、ワクワク感も滲ませながらこう言った。
 
「この舞台で、みなさんが見てくれているなか、戦えたのは大きな経験。これを次に生かさないと意味がない。どう成長できるかは自分でも楽しみ。もっとやるべきことが多くなった」

 今後はJリーグでの活躍も期待される三笘。若きドリブラーのさらなるステップアップに期待したい。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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