試合中にボランチ、リベロと役割を変えながら、常に数人分の仕事を果たしていた長谷部。コルドバ(右)を封じる一方で、敵陣でチャンスに繋がる縦パスを通すなど、活躍は多岐にわたった。 (C) Getty Images

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 9月20日(現地時間)、ブンデスリーガ第5節が行なわれ、ケルンは0-1でフランクフルトに敗れた。

 
 開幕4連敗(ヨーロッパリーグを含めれば5連敗)、得点わずか1、失点は12という深刻な状況でダントツの最下位に沈んでいるケルンが、ここまで1勝1分け2敗と、やはりピリッとしないフランクフルトをホームに迎えた一戦。両チームからは、日本人選手1人ずつがスタメンに名を連ねた。
 
 大迫勇也は2トップの一角に位置取りながら、縦横に広く動けば、ボランチを務めた長谷部も、最後尾から中盤までとピッチを幅広くカバーしていく。
 
 立ち上がりからしばらくはフランクフルトがボールを保持し、守勢のケルンは前線にボールを回すことすらできなかったが、9分に大迫がうまくボールを収めて左SBラウシュのファーストシュートを引き出すと、そこからホームチームが攻勢に立った。
 
 ところが20分、長谷部が出した縦パスをケルンのDFマローがコントロールミスし、これをガチノビッチが拾ってGKホルンと1対1に。ホルンのスライディングはボールとともにガチノビッチの足にも入り、主審はPKをアウェーチームに与えた。
 
 11メートルの対決はアレが難なく制し、リードを奪ったフランクフルトは勢い付いて、たびたび敵陣ペナルティーエリア内に侵入していく。一方、ケルンにとっては流れを引き寄せつつあった矢先の、ミス絡みでの失点だけに、嫌な空気がホームスタジアムに漂う。
 
 28分、コルドバがGKと1対1となり、こぼれたボールをツォラーが詰めるも、これも長谷部の身を挺したブロックで阻まれると、ますますケルンにとってゴールは遠いものという印象を与えることとなった。
 
 42分にも大迫は良い位置でボールを受けてコルドバにパスを通すが、このコロンビア人FWにぴったり張り付いて決定的なプレーを許さなかったのは、やはり長谷部だった。
 
 長谷部はプレーエリアの広さ、運動量の豊富さだけでなく、試合を読む力、抜群の危機察知能力を発揮し、常に危険な位置には姿を見せて、ピンチの芽を摘み取っていった。
 
 後半、最初にチャンスを得たのはケルン。49分、カウンターからボールを運んだビッテンコートからパスを受けた大迫が好位置からシュートを放つも、ボールは力なく、GKに正面でキャッチされる。
 
 大迫は78分、クリュンターのダイレクトボレーがDFに当たって流れところにいち早く反応し、スライディングしながら右足で合わせたが、この決定的でもボールはわずかにクロスバーを越えていった……。
 
 後半途中から、フランクフルトは1点を守る態勢にシフトし、全体のラインを下げたことで長い時間を自陣で過ごすことになったが、リベロに移った長谷部を中心にDF陣がケルンの攻撃をはね返し、また攻撃陣は少ない人数でカウンターを狙い続けた。
 
 ケルンは選手の距離感が悪く、パスがなかなか繋がらず、スムーズにボールをゴール前に運ぶことができず。選手個々の凡ミスも散見されるなど、自ら流れを悪くしていくかたちとなった。
 
 そのなかで大迫は、正確なボール捌きや好パスを披露し、ケルンの攻撃陣で最も良さを発揮した選手だったと言えるが、前述の得点機を決められなかったことは、相手が1点止まりだったこともあり、大きな悔いとなっただろう。
 
 ケルンはノーゴールで試合を終え、泥沼のリーガ5連敗。全く光明を見出せない最下位チームは次節(9月24日)、好調ハノーファーの敵地に乗り込む。苦戦は必至だ。
 
 一方のフランクフルトは今シーズン2勝目。決して良い内容ではなかったが、圧倒的な存在感を示した長谷部をはじめ、最終ラインから前線まで、全ての選手がハードワークして奪い取った、大きな勝点3だった。