[9.20 天皇杯4回戦 横浜FM3-2(延長)広島 ニッパツ]

 真価を見せつけた。横浜F・マリノスFWウーゴ・ヴィエイラが移籍後初のハットトリックを達成。勝利を手繰り寄せた殊勲のストライカーは「3点とも良いゴールだったと思っている。一番嬉しいのは次につなげた3得点だったこと」と、何よりもチームの8強入りを喜んだ。

 2点ビハインドで突入した後半10分に右足でPKを沈め、1点差。さらに終了間際の後半43分、ドリブル突破でチャンスをつくった齋藤学からラストパスを受けると、落ち着いて右足シュートでネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。

 圧巻は3ゴール目だ。2-2で突入した延長後半15分、GK飯倉のロングキック1本で右サイドのスペースに抜け出したウーゴ・ヴィエイラはそのまま縦に仕掛け、ゴールライン際の角度のない位置から右足を振り抜くと、シュートはそのまま見事にネットに吸い込まれ、スタジアムは歓喜に沸いた。

 対峙したGKには視線でクロスと思わせるフェイントを入れ、“角度ゼロ”の位置から狙い澄ましたスーパーゴール。「中に入ってきた(富樫)敬真につられてGKが前に出たのは見えていた。普通、あの角度だったらクロスを選択するけど、GKが動いてゴールが空いていたのでシュートを選択した」。これが値千金の決勝点となり、PK戦突入前に土壇場で勝利をつかんだ。

 チームは天皇杯準々決勝に駒を進め、リーグ戦と2タイトルの可能性を残す。残り8試合で首位鹿島と勝ち点10差。「はっきり言ってリーグ戦の優勝は難しくなってきていると思う」と厳しい現実を受け止めるウーゴ・ヴィエイラは「毎試合毎試合勝つことだけを考えている。天皇杯でも毎試合勝つことが目標。リーグ戦も毎試合勝っていけば勝ち点が増えていく」と目の前の試合に集中し、力を発揮していく決意を口にした。

(取材・文 佐藤亜希子)

●第97回天皇杯特設ページ