裏への飛び出しで再三ゴールに迫った筑波大FW中野誠也

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[9.20 天皇杯4回戦 筑波大0-2大宮 カシマ]

 悔しさはより一層強まった。筑波大は0-1の後半28分、相手のバックパスをPA手前でカットしたFW中野誠也(4年=磐田U-18、磐田内定)がドリブルで運び、右足を一閃。クロスバーを叩いたボールは真下に落下し、ゴールライン付近でワンバウンドしてピッチ内に戻ってきた。

「いい形でシュートまで持っていけて、シュートの感触は悪くなかった」。ボールがゴールラインを越えていたかどうか微妙なシーンで、その瞬間は「自分としては入っていないようなイメージだった」という中野だが、試合後に映像を見直す機会があり、「入っていたようにも見えた」と、釈然としない表情を浮かべた。

「自分の力は出したので、試合が終わって心は多少スッキリしていたけど、今は逆にモヤモヤしている」と苦笑い。この日の試合は追加副審が採用され、ゴール横には第5の審判員が置かれていた。「難しいシーンだったと思うけど、第5審がいたので、付いているからには見ていてほしかった」。そう率直に胸の内を語った一方、「そこは人の判断。自分がきれいに決めていればよかったし、自分の力のなさ」と受け止めた。

 裏への抜け出しという武器は存分に発揮した。味方のロングパスやスルーパスに何度も反応。なかなかシュートまでは持ち込めなかったが、大宮守備陣の脅威になった。後半14分には細かいパスワークで崩し、MF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)とのワンツーでPA内に進入。角度のない位置から左足を振り抜いたが、ゴール右に外れた。

「ストロングポイントである裏へ抜け出すタイミングは通じる部分もあった。まだ伸ばさないといけないけど、自信につながった」。だからこそ、「(ゴールを)決めてチームを救いたかった」というエースとしての責任も感じていた。「『持ってなかった』という言葉しかない。決めるときに決めるというのは永遠の課題かもしれないけど、抜け出したと思っても体を当てられるという感覚も味わえた。その意識を持って、一つひとつの精度を上げないといけない」と、Jクラブ勢との対戦で培った経験を今後に生かしていくつもりだ。

 チームとしては8日の総理大臣杯準決勝、16日の関東大学リーグに続いて公式戦3連敗。「大会は違うけど、3連敗しているのは事実としてある。次が本当に大事になる」。そう気持ちを切り替える中野は「この借りは大学リーグ、インカレで返していきたい」と、24日の関東大学リーグ第13節・駒澤戦へと視線を向けた。

(取材・文 西山紘平)


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