耳鳴りは耳鼻科医にとっても難しい分野だという(写真と本文は関係ありません)

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秘書に対して暴言を浴びせたとして週刊誌に報じられた豊田真由子議員(42)。騒動から約3か月が経過した2017年9月18日に記者会見を開いた。

1時間半ほどに及んだ会見中に、気になるしぐさが見られた。右耳を押さえて突然しゃがみこむ。耳鳴りのせいだと明かした。

メニエール病や突発性難聴が原因の可能性

「ごめんなさい、耳がワンワンして...ちょっと耳鳴りが」

立ったまま記者からの質問を受けていた豊田氏が突然、右耳に手を添えてその場に座り込んだ。それでも会見は打ち切らず、その後は質疑を再開した。豊田氏の耳鳴りの原因は不明だ。

多くの耳鼻咽喉科クリニックのウェブサイトは、耳鳴りには病気やストレスが隠れている可能性があると指摘している。神尾記念病院(東京都)のサイトによると、メニエール病や突発性難聴のほか、聴神経腫瘍、高血圧や糖尿病といった病気により耳鳴りが起こることがある。

患者が訴える耳鳴りの音はさまざまだ。梅岡耳鼻咽喉科クリニック(兵庫県)のサイトでは、「セミやカエル・コオロギのような声、水の流れるような音、蛍光灯などが発するような『ウィーン』といった音、ラジオの周波数を合わせるときに出る『ヂイヂイ』という音、機械が動作するような『ギー』という音、風のような『ビュービュー』という音」を例に挙げている。そこで同クリニックでは原因を特定したうえで、原因に対する治療を施すとしている。

一方でネット上には、耳鳴りの音によって、それがどの病気と関係があるかを推測できるとの言及がある。ツイッターで、健康系の書籍に書かれていたとして紹介されたのが、「キーン」がストレス、「ザーザー」が突発性難聴、「ミーンミーン」が中耳炎と、音と病状を結びつけた内容だ。ある健康医療系サイトにも、例えば老人性難聴や騒音性難聴の場合に高音の耳鳴りが聞こえることがある、低音の耳鳴りは中耳炎、メニエール病が原因として挙げられ、精神疾患やストレスでも生じる場合があるといわれる、との記述があった。

音によって原因疾患が分かるほど単純ではない

「この音なら、この病気」という議論は、あくまで可能性の話にとどまってはいる。ただ、J-CASTヘルスケアが耳鼻咽喉科の男性開業医に取材すると、「音によって原因疾患が分かるという単純な話ではありません」と警鐘を鳴らした。「耳鳴りは耳鼻科医にとっても難しい分野」とも話す。素人判断で、感覚的な音だけを頼りに特定の病気だと決めつけるのは禁物だ。

実は健康体でも「耳鳴りかな」と感じることがある。非常に静かな環境にひとり身を置いているとき、外部からの音が遮断されているはずが耳元で物音がして気になることはないか。前出の男性医師は例として、耳の周りの血管で血液が流れる音を挙げた。場合によっては心臓の鼓動だったりもするという。このように実際に耳の周りで音がしていて、外からも聞こえるものは「他覚的耳鳴」と言われる。一方、本人にしか聞こえない耳鳴りは「自覚的耳鳴」だ。

いずれも一瞬感じた程度であれば、心配はいらないようだ。逆に耳鳴りが継続し、ほかの音が聞き取りにくいなど日常生活に支障が出るようなら早期に医療機関を受診するよう、男性医師は勧める。