[9.20 天皇杯4回戦 横浜FM3-2(延長)広島 ニッパツ]

 天皇杯は20日、各地で4回戦を行い、ニッパツ三ツ沢球技場では横浜F・マリノスとサンフレッチェ広島が対戦した。90分間では勝負がつかず、2-2で延長戦に突入すると、FWウーゴ・ヴィエイラが延長後半15分に劇的決勝ゴール。横浜FMは準決勝に進出した昨季に続いて2大会連続の8強入り。広島は2014年度以来、3シーズンぶりに4回戦敗退となった。

 横浜FMは16日に行われたJ1第26節柏戦(1-1)からGK飯倉大樹とDFパク・ジョンス、MF齋藤学以外、先発8人を変更。広島もC大阪戦(1-0)からDF野上結貴、DF高橋壮也、DF水本裕貴以外、先発8人を入れ替えた。[スタメン&布陣はコチラ]

 前半は広島が一方的に押し込む展開となり、前半7分、左CKをMFフェリペ・シウバが右足で蹴り込むと、DF野上結貴のヘディングシュートは左ポストを叩いたが、こぼれ球をFW皆川佑介が冷静に右足で蹴り込んだ。

 セットプレーから先制に成功した広島は前半10分にも左CKのチャンスからフェリペ・シウバのキックを皆川がヘッドで合わせたが、惜しくもゴール上へ。勢いは止まらず、前半14分にはMF森崎和幸が鋭い縦パスを通すと、フェリペ・シウバがPA手前から右足を一閃。強烈なミドルシュートで豪快にネットを揺らし、2-0にリードを広げた。

 横浜FMは攻撃時にMFダビド・バブンスキーが前に上がり、MF喜田拓也がワンボランチ気味になって空いたスペースを突かれ、前半23分、左後方からのフィードでDFラインの裏に抜け出したFW工藤壮人がGKとの1対1から左足シュートを放ったが、惜しくもゴール上へ。広島は44分にもドリブルで持ち上がったMF森島司がフィニッシュまで持ち込んだが、GK飯倉のセーブに阻まれ、追加点とはならなかった。

 2点ビハインドの横浜FMは一転、後半立ち上がりから攻勢を強め、広島DF水本裕貴のハンドで同9分にPKを獲得する。キッカーはFWウーゴ・ヴィエイラ。右足で落ち着いてゴール左隅に蹴り込み、1点差に追い上げた。

 さらに攻め込む横浜FMはMF遠藤渓太がミドルレンジからシュートを連発し、相手ゴールを強襲。後半20分には齋藤学が蹴り込んだ左CKをDFミロシュ・デゲネクがヘッドで狙ったが、シュートはクロスバーを越えた。最初の交代枠を使い、後半30分、前田を下げてFW富樫敬真がピッチに入った。

 逃げ切りたい広島は後半36分にフェリペ・シウバを下げてMF柏好文、同42分に皆川を下げてMF青山敏弘を投入。対する横浜FMは齋藤学がボールを持つ場面が増え、相手の守備網を切り裂くドリブルからチャンスをつくり、終了間際の後半43分、ついに同点ゴールを生んだ。

 快速に乗ったドリブルで寄せてくる選手をかわした齋藤学が富樫にパスをつなぐ。富樫のトラップが大きくなり、一度はボールを失ったが、広島DF水本のパスミスに齋藤学が反応。エリア内に走り込んでボールを奪い返すと、相手を引き付けて右からカットインし、ラストパス。ウーゴ・ヴィエイラが右足ダイレクトでネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。

 後半アディショナルタイムは互いに決定機を生かせず、2-2で延長戦に突入。延長前半5分、広島は工藤の左足シュートが相手にブロックされ、途中出場MFアンデルソン・ロペスがこぼれ球を右足で叩いたが、これも相手のブロックに阻まれる。横浜FMは富樫、齋藤学がシュートまで持ち込むが、いずれも枠を捉えられなかった。

 ピッチ上には足をつる選手が続出した120分間の死闘。迎えた延長後半15分、GK飯倉のロングキックで右サイドのスペースに抜け出したウーゴ・ヴィエイラがそのまま縦に仕掛け、ゴールライン際の角度のない位置から右足を振り抜くと、シュートは見事にネットに吸い込まれた。ウーゴ・ヴィエイラは値千金の決勝弾でハットトリックを達成。土壇場で逆転に成功した横浜FMが3-2で競り勝ち、準々決勝に駒を進めた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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