NoGoDが語る、10年の歩みとバンドの真価「人前に立つ以上メッセージを届けないといけない」

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 NoGoDが、9月20日にニューアルバム『proof』をリリースした。現メンバーでの体制になり10年を迎えリリースされる今作は、バンドの集大成を表した作品。今回、リアルサウンドではメンバー全員にインタビューを行い、10年の歩みとシーンについて、そして今作でも核となっている楽曲のメッセージについてじっくりと話を聞いた。(編集部)

・「生音を求める時代だからこそ、我々は真価を問われるんじゃないか」(団長)

ーーNoGoDは現メンバーになってから、今年で10年なんですね。

団長:そうですね、気づけば。Shinnoさんが入ったのが2007年の7月末なので。この10年で解散してしまう同期もいたり、先輩が復活したり、後輩も増えては減り、減っては増え……。

K:そして水が枯渇し、食料を奪い合い……。

団長:いつ世紀末になったんだよ!(笑)。あと、世の中でメタルをはじめハードなジャンルが再熱したかなと思いきや、ブームにまではならず……。

Kyrie:とはいえ、我々はどのジャンルのものでも、そのど真ん中にいるわけでもないんですけど。メタルのど真ん中でもビジュアル系のど真ん中にもいないというか。

団長:メインストリームにいたことないですね。

Kyrie:どこにいても仲間に入れてもらいづらい(笑)。

団長:そんな中、最近やっと端っこに寄った人たちにフォーカスが当たるようになってきたんじゃないかなっていう。

Shinno:そうなんだ(笑)。

華凛:それ、自分で言っちゃう?(笑)。

団長:我々は自分たちのペースでゆっくり歩いてきただけで。

Kyrie:10年前から同じようにスタジオで、同じようにレコーディングし、ツアーを回ってっていう。

ーー実は2007年からの10年間って、日本の音楽業界的に変動の大きかった10年だと思うんです。調べてみると、2007年はそれまでしばらく続いていたロック、ポップス系のシングルにおけるミリオンヒットが出なかったの最初の年だそうで。と同時に、宇多田ヒカルさんの「Flavor Of Life」が700万ダウンロード突破。CDシングルの売り上げを配信が抜いた時期なんですよね。

K:へ〜、そうなんですね。

団長:ミリオンが出るとか出ないとか、そんなの気にしたことないもんなぁ。

Shinno:卑屈だなぁ(笑)。

ーー初音ミクが誕生したのも2007年ですし。

K:ああ、それぐらいだったんですね。

団長:そのあたりまったく気にしたことなかったよね、初音ミクさんとか……「さん」付けしちゃったけど(笑)。

ーーそんな中で、NoGoDはこの10年間、ライブで音楽を届けてきたバンドですよね。

団長:そこにこだわっていたわけじゃなくて、それしかできなかったんです。ライブでしかできないじゃないですか、人前で音楽を伝えることって。2010年、2011年ぐらいにネット音楽が台頭し始めて、「ライブなんかいらない、バンドなんかいらない」みたいなことを言われた時期を通りすぎて、一周回って今はライブの必要性がすごく問われている気がするんです。それは大型フェスがどんどん勢いを増しているのもそうですし、アイドルとか含めてどんどんそういうフェスに出るようになりましたし。ライブに足を運ぶ人が増えているイメージも、勝手に持っているんですよ。そうやってみんな耳だけで聴くデジタルの音じゃなく、体感できる生音を求める時代になってきたからこそ、我々は今一番真価を問われるんじゃないかなと思います。

・「中指を立てるよりも手を伸ばすことのほうが大事だと気づいた」(団長)

ーーまたNoGoDはヘヴィメタルから影響を受けつつ、独自のサウンドスタイルを確立。しかもビジュアル系と呼ばれるシーンの中では異彩を放つ存在です。

団長:俺らをビジュアル系と言ってしまっていいものなのか、いまだによくわからないし、だからといって化粧するのをやめるというのも違いますし。NoGoDとして音楽を表現するのに派手な格好をして、派手なメイクをしたほうが楽曲をより良く表現できるからやっているだけであって、今自分たちがやりたい音楽と見た目が、自分たちでは合っていると思っている。それが周りで流行っていようがなかろうが、やり続けるだけの12年でしたね。

ーー例えば、やっていることがブレそうになることはなかったですか?

団長:常にブレ続けているとは思いますよ(笑)。でも、うちはブレの範疇が広いんで。他のバンドだと相当ブレたぐらいまでが許容範囲なので、我々自体はブレてはいるはずなんですけど、NoGoD全体としてはブレてない。俺らみんな思春期に聴いていた音楽が好きだってこと自体は変わってなくて、そのときそのときに自分の中での新しい流行みたいなものが作品に反映されているだけで。特にKyrieさんなんて2、3年前はすごくNickelbackが好きで、その感じが作品にも多少なりと反映されてたと思うんです。Kyrieはそういう意味では都度都度のサウンド面の振れ幅が一番わかりやすいかもしれませんね(笑)。

Kyrie:ブレというかね、影響を受ける好みがいい感じに出ているという。でも、やっていることは本当に変わらないですよ。それこそちょっと前にエンジニアやディレクターともそんな話をしましたけど、今はどういうサウンドが流行っているという話から始まりはするんですけど、じゃあNoGoDで曲を作って、これはどういうイメージでどういうモチーフだっていうところ、いわゆるリファレンスするものを自分の中で立ち上げて、それを共有して進めていくという作業はもうずっと変わってなくて。何をリファレンスするかというのはその都度違うし、もっと言えば曲によって違うから、変わっているとかブレてるとか、正直俺はわからないんですよ。

ーーなるほど。では歌詞に関してはどうですか? 特にNoGoDの歌詞はメッセージ性の強いものが多いですが、そこはバンドを結成した頃から意識していたものなんでしょうか?

団長:俺はこのバンドを立ち上げたときから、メッセージソングでなければいけないと思っていたんですよ。それは時代背景というのもあるかもしれないですけど。ここ最近もそうですけど、魂のないメッセージソングも多いなって。それ自体は悪いとは思わないし、実際聴きやすくてそのほうがいいと思うこともある。ただ、俺は人前に立って歌っている以上、メッセージを届けなくちゃいけないものだと思っているので。でも年をとってから、暑苦しくはなりましたね。頑固親父じゃないですけど、口うるさくなったのかもしれないし(笑)。あとは、昔よりも伝え方がちょっとうまくなったかなと思いますね。昔は「ああでもない、こうでもない」とただ不満をただ吐き出してるものもあって、そういうものは受け取る側からしたら「ちょっと嫌だな」と思うような伝え方だったんじゃないかな。だけどここ最近は余分な角が取れて、少しだけ歩み寄ることができるようにはなったと、自分では思ってます。言葉選びや歌い方を含めて、そういう部分は30歳を過ぎてから少し伝え方のベクトルを変えられたかなとは思うけど、大元の芯自体は変わってないと思いますよ。やっぱり若かった頃は世の中に対する憤りとか、音楽業界に対してはCDを買うことが軽視されてきていたり、「音楽はタダでもいいだろ?」とか思ってる人に対する怒りとか、いろんなことに対して中指を立てていた。でも今は、中指を立てるよりも手を伸ばすことのほうが大事だと気づいたんです。

・ 「「proof」が自分たちにとってターニングポイントになると思った」(Kyrie)

ーー今の言葉、すごくわかりやすく伝わりました。ここからはニューアルバム『proof』について聞かせてください。このアルバムに到達するまで、昨年末から楽曲を小出しに発表しましたよね。

団長:そうですね、配信シングルを2曲(2016年10月配信の「Passion Play」、同年11月配信の「emotional disorder」。両曲ともアルバム未収録)出して。今年に入ってからはCDシングルを2枚(4月発売の『Missing』、7月発売の『Arlequin』)出しましたし。

Kyrie:昨年末の配信シングルに関しては、ひとつ挑戦というか。これから先、NoGoDでこういうこともできたらいいなという、レコーディング環境も含めた新しいチャレンジでした。そして今年に入ってからのリリースに関しては、パッケージとしてシングルを出すということは僕たちにとって以上に、それこそレーベルや事務所にとって、もっと言ってしまえばリスナーにとってすごく特別なことになる。「Missing」や「Arlequin」という曲が普通にアルバムの1曲だったとしても、作る上での思いは何も変わらないんです。ただ、そこにシングルとしてのリリースがあればMVを作ったり、こうやってインタビューでお話させてもらう機会があったりしますし、それをリスナーが観たり聴いたりすることでその作品が特別なものに感じられるようになるんであれば、それは作る意味があるんじゃないかなと思って。だからそれぞれのシングルには3曲の新曲が入っていて、ライブテイクも2曲ずつ入れたし、今回のアルバムでも限定プレス盤にはMVが3曲収録されている。そうやってお客さんに楽しんでもらえるものがひとつでも多く届けられるのであれば、それはみんなにとって良いことなんじゃないかなと思うんです。

団長:唯一気にしてしまうのは、それぞれお客さんに買って頂くということ。なので、我々も曲を作るにあたってもちろん労力もお金もかかるけど、かといって「○○ミックス」みたいなテイクで水増しするのは違うと思うんです。

K:楽しそうだな、それ(笑)。

団長:「featuring ○○」とかね……って、やろうと思っても絶対にできないでしょ、うちの曲でそういうこと(笑)。だから、自力でやるしかないし、お客さんのためにも自分たちのためにも、それを大変なことだと思わずに当たり前のこととしてやってますね。

Kーー今回の『proof』というアルバムタイトルも非常に象徴的な言葉ですよね。

Kyrie:そうですね。アルバムタイトルはレコーディング終盤に決まったんですけど、「proof」というタイトルが付いている曲自体は今回の制作で最初に書いたんです。自分がこの歌詞や曲を書いていく上で、その内容が自分たちにとってターニングポイントになると思ったので、これがアルバムタイトルでいいんじゃないかなと、わりとすんなりと決まりました。

ーーこの曲のどういったところが、Kyrieさんにとってターニングポイントだったんですか?

Kyrie:まさにこの曲の歌詞のようでありたいとか、そういう存在であろうという意思がまず最初にあって。この曲よりも後から出てきたものが、たとえ全然別の世界観のものだったとしても、それもまたひとつの“proof”という枠の中に入れられるんじゃないかなと思ったんです。だから、この曲が最初の時点でできていたのは、自分の中ではかなり大きかったですね。

・ 「ここ最近は1曲単位で完結させることを目標にしている」(団長)

ーーこのアルバムを聴いて感じたことなんですが、全体の流れや構成が古き良きロックバンドの王道感が強い作品だなと思って。例えば、冒頭のインスト曲「In the cage…」でじわじわ盛り上げて、2曲目「break out!」でガツンと攻める流れもそうですし、アルバム中盤に別のインスト曲(「矜持と共に」)を配置することで、アナログ盤のA面B面みたいな雰囲気も感じられる。CDや配信が主流の現在はこういった構成を意識していないアーティストも増えているのかもしれませんが、僕はこういった点がすごく良いなと思ったんです。

Kyrie:ありがとうございます。やっぱり最初に再生したときに、それがゆったりと入ってくるものであっても激しく入っていくものであっても、アルバムのイントロダクションにふさわしい曲かということは選曲するときに考えてしまいますよね。7曲目のインストに関しては特にA面B面を意識したわけではないんですが、ちょうどアルバムの折り返し地点に配置することでアルバムを構成しやすかったというのもあります。

ーーそうだったんですね。あと、これはここ最近のアルバムに総じて言えることなんですが、非常に聴きやすい長さなんですよね。

団長:そこは年々、1曲1曲が短くなってるからですかね。時とともに無駄が少しずつ削ぎ落とされている感じはします。そこは自分たちがライブでやっていて「長いな」と思う曲を、だんだんとライブでやらなくなってくるというのもあって、意識して作ってるところもあるんです。やっぱり長い曲って、ライブではセットリストに入れづらいんですよ。そうなるとライブでの稼働率が減っていくし、せっかく作ったのに勿体ないよねというのも多少はあるかな。

Kyrie: 6分ぐらいある曲が悪いってわけじゃなくて、単純に対バンイベントなどで30分しかないときとかだとやりにくいというのがある。そうなると、短尺でちゃんと起承転結があって振り幅がある曲のほうがやりやすいんです。

団長:昔はよく、アルバムのコンセプトに合わせて曲がいくつか長くなることはあったんですけど、ここ最近は本当に1曲単位で完結させることを目標にしているので、アルバムのトータリティよりもその曲にとってベストな方法を探した結果、短くなったのかな。

華凛ーーでは、以前と比べるとアレンジする上でも変化があった?

華凛:アレンジに関してはKyrieが全部やっているので、申し訳ないながらお任せしてますね。僕個人でいったら、余計なことを削ぐ方法をこの12年で学びました。曲を良くしようということに注力できているっていうのは、特に激しい曲だとパッと聞きでは難しいかもしれないですけど、実際聴きやすくはなってるかなと。昔にこのアルバムを作っていたら、相当聴きづらいものになってたんじゃないかと思いますし。僕も若さに任せて好き勝手なことをやっていただろうから、そういう意味では洗練されていると思います。

K:僕は曲を組み立てる段階の話ですけど、すり合わせが以前よりもナチュラルなイメージが強いですね。持ってきてくれる曲に対して、こういうふうにしたいのかなっていうことが、やりとりしなくても理解できるというか。もちろん100%理解できてるわけではないですけど、80%ぐらいまではきたかなとは感じています。

ShinnoーーKyrieさんとShinnoさんはギターに関して、相手がこうするから自分はこうすると意識して弾くとかディスカッションすることはあるんですか?

Shinno:例えばデモで「○○っぽい感じで弾いて」みたいな指示があったときに、俺はその「○○っぽい」をより具体化するのか、良い意味で裏切るのかでまた変わってくると思うんです。レールは敷いてもらっているので、あとはそこに何を走らせるかなのかな。

Kyrie:僕はアレンジする際、まず「きっとこの人はこういうふうに弾いたら、カッコ良く弾けるんじゃないか、カッコ良く叩けるんじゃないか、カッコ良く歌えるんじゃないか」ということを考えるんですよ。そういう自分の中にあるイメージを一回デモに落とし込んで、それを聴いてもらってからプリプロ作業を進めていくんです。そこでの消化の仕方も人それぞれだけど、結果僕が思っているものと全然違うものが出てくることもあるし、まったく同じものが出てくることもある。どっちが良いというわけではないんですけど、結局はどちらも僕が思うその人らしさだし、それが最終的にバンドの作品として成立していたらまったく問題ないと思うんです。

・「“NoGoDというジャンル”をこのアルバムで証明できたのでは」(団長)

ーーそして最後にボーカルが乗るわけですが、歌い方や節回しが演奏によって変化することはあるんでしょうか?

団長:そこもサウンドアレンジと一緒で、ある程度できあがったアンサンブルに対してどの音が一番合っているのかを当てる作業ですね。まずは何パターンか、ワンコーラスつるっと歌うんです。そこで声の年齢を老けさせたり、逆に若々しく歌ったり、ディストーションを多めにしたりクセを強めに歌ったり、少し歌謡曲っぽかったらネットリ歌ってみたり、カラッとしたアメリカンサウンドだったらちょっとはハスキーに歌ってみたり、その楽曲で一番映える歌い方をいろいろ試してみるわけです。だからアルバムとして一貫して同じ歌い方をしている曲が1曲もなくても、その曲にとって最適な歌い方をするほうがベストだと思ってます。

ーーまさにさっきおっしゃったように、アルバムのトータル性を重視するよりも1曲1曲の完成度を極めていくと。

団長:はい。だからうちの場合、アルバムというのはトータリティがなくてバラバラでいいと思うんですよ。そういうこだわりとか、音に対する真摯な姿勢とか全部ひっくるめて“NoGoDというジャンル”になるわけで、それをこのアルバムで一番“証明(=proof)”できているんじゃないかな。

ーーでもリスナーとしてアルバムを聴くと、そこにしっかりと一貫性が感じられる。それこそが、10年このメンバーで続いた説得力なんだと思います。

団長:世の中にはずっと同じことを続けてらっしゃる方もいるじゃないですか。それは素晴らしいことだと思うんですけど、我々はそこに飽きてしまうので、お客さんはこのバンドにかなり振り回されてると思うんですよ。肉料理しか出さない安心の老舗じゃなくて、日替わりメニューで急に変なもの出して戸惑わせることが多々あるバンドですから(笑)、そこで好き嫌いが生じて聴いてもらえないこともあるけど、味には自信があるので。残さず食ってもらえばわかるようなものは作っているつもりです。

ーー今作の歌詞を読んで気づいたんですが、NoGoDの歌詞はこれまで肝心なところを英詞で歌うことが少なかったですよね。それが伝わりやすいメッセージにつながっていたと思うんですが、今回は「Tonight!」で……。

団長:はい。生まれて初めて、俺の全英語力を使いました(笑)。最近の激しめのバンドさんって、英語が流暢な方が多いですよね。中学生まで海外にいたとか、反則じゃないですか。

K:反則じゃねえよ(笑)。

団長:俺も小学1年生から6年生まで子供向け英会話スクールに通い続けたので、これが渾身のサビなんですけどね。正直、この曲に関しては俺の中での皮肉なんですよ。「どいつもこいつも英詞を使いやがって。ど日本人の俺が本気で英詞を書いたら、これぐらいしか書けないんだぞ、ちくしょうめ!」っていう勝手な当てつけです(笑)。

華凛:今の人はみんな英語できちゃうからね。

Kyrie:我々みたいにイングリッシュ・コンプレックスの世代とは違いますから。特にロックは英語と密接なところにあるので、僕ら世代のロックミュージシャンの中には英語にコンプレックスを持っている人が多いと思うんです。喋れないことに対するコンプレックスというよりも、英語っていうものに対しての憧れが強すぎるのかな。でも、それを今の若い方たちは普通に喋れるんからすごいなと思いますよ。

団長:俺がそういう聴き方をしてきたのもあるんですけど、洋楽をすごく聴いていた時期って俺は歌詞を受け止めたくないからというのもあったと思うんです。洋楽のリスナーとしての俺は、歌詞をいちいち噛み砕いて聴いて、意味を受け止めたくないというのもあるんですけど、作る側としての俺はやっぱりメッセージを聴いてもらいたいんですよね。一方で、英詞で歌っている日本人のバンドを好んで聴いている人たちって、俺が洋楽を聴いているときみたいに、歌詞の意味よりもっと音に酔っていたいじゃないかな。それは楽しいことですし、素晴らしいと思うんです。でも、俺の場合は同じ日本語がわかる人にはメッセージを伝えたいですし、英語を使ったとしても小学生にもわかるような単語しか使いたくないんですよ。そうやっていろんなことを考えたら、こうなったわけです(笑)。

・「まだ可能性を秘めていることを証明するツアーにしたい」(団長)

ーーなるほど(笑)。でも、NoGoDの楽曲は聴いていて耳に残る言葉やフレーズが多いぶん、流し聴きできないし、ちゃんと聴く体制になれるんですよ。

団長:だからうちの音楽は疲れるんですよ。環境音楽には向かないですし、きっと一生カフェでは流れないんですよね。でも、それぐらいの熱量でやっているので、同じぐらいの熱力で聴いてほしいとも思うし。流し聴きなんかされてたまるかっていう。それぐらい暑苦しいものでいたいなとは思いますね。最近はみんなで盛り上がれる曲、祭りだパーティだと、ノリで成立しちゃう曲も多いし受け入れられやすいと思うんです。もちろん俺も祭りやパーティっぽいノリのものも書くこともあるけど、それ以上にやっぱり響いてほしいし感動してもらいたいんですよ。曲によっては盛り上がらなくてもいいから、泣いてもらえたほうが俺はやっていて嬉しいなと思っちゃう。海外のハードコアバンドのライブみたいに、泣きながら拳を上げるおじさんがいたら最高ですよね(笑)。

ーーそこと真正面から向き合ってきたのがNoGoDだったと。

団長:若い子にもウケると思うんですけどね。同世代から上の方々には受け入れられてると思うんですけど。今までなんとかやって来れてますし(笑)。そもそも、若い子は白塗りってどうなんでしょう……?

Kyrie:この前も10歳児に「気持ち悪い」と言われたばかりだし。

団長:このメイクだからね(笑)。別に我々はいいものをずっと作り続けていればいいんじゃないかな。例えば今の若い子たちが20代後半ぐらいになって、「もうちょっといい音楽がないかな?」と思ったときにたどり着ける音楽として俺らがいればいいんじゃないかなと。だから、俺たちは俺たちがいいと思うものを作り続ければいいんです。

ーーここから12月まで続くツアーも始まります。

団長:10年間アンサンブルし続けた結果、今が一番良い状況に仕上がっていると思うんです。やっぱりバンドを10年、12年と続けていると、どこかのタイミングでNoGoDのライブを観に来られなくなるお客さんもいるはず。そういう人に後生の頼みで、このツアーでどこか一回でも観に来てくれないかなと思うんです。「やっぱりいいバンドじゃん!」と思わせることができる自信があるので。それに、ツアーファイナルが渋谷CLUB QUATTROなんですが、今のメンバーで初めてやったワンマンライブがQUATTROだったので、10年前に来た人にもう一度観てほしい。俺たちが果たして足踏みしてたのか、後退してたのか、それとも先に進んでいたのか、ここでハッキリすると思います。と同時に、このツアーでNoGoDというバンドがこれから先、まだ可能性を秘めていることを証明するツアーにもしたいですね。アルバムではそれができているので、このバンドが少しも鈍ってない、少しも日和ってない、研ぎ澄まされていることを生で見せつけたいです。(取材・文=西廣智一)