衆院解散の意向を固めたと報じられている安倍総理ですが、9月25日には記者会見を開き「解散の理由」を説明すると伝えられています。今回の無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』では著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さんが、天皇陛下の退位を視野に入れると今のタイミングがベストであるとした上で、偏向報道を続けるマスコミと迷走する民進党の現状を分析。さらに解散の「大義」についても解説しています。

批判のための批判という空論。大義は憲法改正、の議論

衆議院の解散総選挙がほぼ確定しました。投開票日については、10月22日と29日の二案が取りあげられていますが、いずれにしても来月末には結果がでています。

私が触れた一報が、朝日新聞ということもあり、与太話かと思っていたら、ネタ元は二階幹事長や、麻生太郎副総理で、各社が一斉に報じ既成事実となりました。

確かに日程を考えればここしかない、と言えます。北朝鮮の挑発や、トランプ大統領の来日など、外交日程が山積みで、なによりもっとも大切ながら、どの識者も触れないことが天皇陛下の退位(譲位)があること。

再来年の元日や、年度替わり案などがでていますが、現在の衆院の任期は来年の12月末までで、有史以来初ともいえる法律に基づいた譲位という、未知の状態に備えるには、国政の安定は打てる手の一つでしょう。

仮に選挙結果によって自公政権が、憲法改正に十分な議席は確保できずとも、陛下のご譲位を滞りなく行い、新帝をいただき言祝ぐにしてもやはり同じです。

モリカケ騒動で支持率が急落し、衆議院の任期満了をもっての総選挙説が浮上したとき、私が気になったのはこのことのみ。だから、いずれの結果になるにせよ、ホッとしています。

そして「政局」と言う名のパワーゲームからみれば、いまのタイミングがベストであるのはいうまでもないでしょう。

崩壊が始まった民進党に、形もまだない若狭新党(小池百合子新党)の、それぞれ結論が出る前という状況で、なにが有利に働くかと言えば「マスコミ対策」です。

脱走兵が相次ぐ民進党で、さらにはガソリーヌからゲスリーヌへとジョブチェンジした山尾志桜里氏のゲス不倫疑惑からの離党は致命的。

あくまで不倫は当事者の問題という立場ですが、中川俊直代議士や今井絵理子議員の不倫を騒ぎ立て、斉藤由貴と宮迫博之の不倫もからかった直後のマスコミが、山尾志桜里氏だけを特別扱いすることは難しく、取りあげるしかありませんでした。

それでもマスコミは論点をずらしながら、「批判を控える」という形で擁護し、さらに「確かな野党が必要」「自民党の一強を許して良いのか」と、流れ弾を連射しますが、どう考えても党の幹事長に名前が挙がった時期に、ホテルで妻子ある男性と一晩過ごしては、それがすでに一線を越えているというものです。

山尾志桜里氏は検事出身を売りの一つにしており、お相手の倉持麟太郎氏は弁護士で、離婚を得意とホームページのプロフィールにあります。

一つの部屋に、男女を問わず恋仲と疑われる2人が入り、扉を閉めた時点でアウト。というのが不貞における量刑相場。むろん、5分10分なら情状酌量も期待できますが、「週刊文春」は一晩過ごしたと報じています。

つまり、どこをどう切り取っても、山尾志桜里氏も民進党も庇うことは困難な案件というところに、民進党が構造的に持つ「人手不足」という弱点が追い打ちをかけます。

それが「辻元清美幹事長代行」の人事。

知名度があり、攻撃(口撃)力の高い辻元清美氏の要職起用は、それなりに意味がありそうですが、ならばこの数ヶ月、彼女が静かだったのはなぜでしょうか。

森友学園における国有地払い下げで、玉木雄一郎衆院議員(民進党)とともに、国会をサボって現地視察したのは辻元清美氏で、当初、追及の急先鋒に立っていたことを覚えている人もいるでしょう。

ところが、ある瞬間からピタリと彼女の姿を見なくなります。実は今は補助金詐欺などで容疑者となった籠池諄子氏が、安倍昭恵首相夫人へ送ったとされるメールのなかで、辻元清美氏についての疑惑が指摘されていたのです。

疑惑については、籠池諄子容疑者の妄想を出ないので触れませんが、これを調べた和田正宗参院議員や、辻元清美氏に隣接する選挙区で戦う足立康史衆院議員によれば「北朝鮮」の陰がちらつくようです。

さらに森友学園の隣に開設された大阪府豊中市の市立「野田中央第2公園」の払い下げにも、辻元氏が暗躍しているとかしないとか。

いずれも「疑惑」ながら、この疑惑については無関係と主張するFAXを民進党としてマスコミ各社に流した上で、「報道するな」と圧力をかけ、マスコミがそれを「忖度」し、「報道しない自由」により、情報規制をかけました。

ネット民の間ではこうした「状況証拠」から、辻元氏の疑惑をクロとみる声は大きく、今回の辻元清美氏の要職起用に、嘲笑を含む「どよめき」が起きていました。

そこへきての「選挙」です。先の足立議員に代表されるように、関西圏では「維新」が強く、選挙となれば怪文書も含んだ舌戦が展開され、あることないことが拡散され、ネタによっては週刊誌が飛びつくことでしょう。

そんなとき、辻元清美氏で大丈夫か。ということ。一介の議員ならともかく、党の要職ということは党を代表する立場。それが疑惑あり。そもそも山尾志桜里氏にしても、スパッと議員辞職して捲土重来を目指していれば、解散総選挙という「大義」の前に喪が明けたことでしょうに。つくづく人材不足で引きが弱い民進党。

こうした状況下なので、マスコミは盲目的に民進党を擁護できません。自民党が応援されることはあり得ないにしても、どこかの党に肩入れされるよりはマシ。

小池新党というか、若狭新党というか、モナ新党…もとい細野豪志新党というかはともかく、ここは明らかに選挙対策のための「野合」であり、もしかしたら「烏合の衆」かもしれず、やはりアンチ自民党の対抗馬として持ち上げることに不安が残ります。

そもそも自民党を離れた若狭勝氏以外が、民進党で埋まったら、それは第二民進党と呼ぶべきでしょう。

その他の政党を応援するにしても力不足は明らかで、うっかり日本共産党を推した日にマスコミは終わります。いまだに「相手の出方論」により暴力革命を辞さない政党だからです。それは言論の自由の対極にあります。

偏向報道を繰り返してきたマスコミにとって、どこにも肩入れするのが困難な今の状況は実に都合が悪く、すなわち自民党に相対的に有利に働くということです。

解散総選挙が噂されてから、朝日新聞を筆頭に、そしてテレビメディアは半狂乱でネガティブキャンペーンを開始しています。その代表的な二つの声が「北朝鮮の危機が迫るなか」と「大義はあるのか」。

前者についてテレビはこれを責める資格はありません。なぜなら「Jアラートは大袈裟で不要だ」的な主張を拡散してきたのがテレビです。この論に従えば北朝鮮の危機などないことになります。また、この危機に際しても「対話」だけを求めてきたのもテレビです。

対話が成立するなら、まだ危機ではありません。対話のための時間が残されているということであり、なにより「安倍政権は圧力というが効果がない。いま求められているのは(北朝鮮の気持を忖度した)対話だ」的な主張を繰り返しているのですから、「北朝鮮と対話だけする政党」を支持し応援すれば良いだけの話です。

あるいは、特定政党を支持する偏向報道ができない…ぷぷ、あ、笑いが…のであれば、そうした「政策提言」をするという手口だってあり、それはいつも、どうでも良いことでしていることです。具体的には「安保法制反対」にせよ「テロ等準備罪反対」にせよ。

それがないということは、具体策がなく反対だけしているということです。一例を紹介しておきましょう。

9月18日の報道ステーションで元共同通信社編集局長・後藤謙次氏は「何もやっていない」と批判します。8月の内閣改造以降ということですが、安倍政権はその前から起動していて、大方針は安倍首相ら中枢が決め、主要閣僚は概ね固定されています。

また、評論家の石平氏もツイッターで指摘していましたが、衆議院を解散しても内閣は機能していて、むしろ、そんな状況になることを見越して「仕事人内閣」を配置したとは、いささか贔屓の引き倒しにも思えますが、そういう理屈も立てることが可能です。

なにより解散総選挙が日程に乗り、三連休があけた東京株式市場は一時期400円を超える上げ幅で、日経平均株価は2万円を軽く越えて見せます。これだけでも「何もやっていない」との批判あたりません。

つまり、後藤健次氏の発言は、反対のための反対で、批判のための批判だということです。この半年間の後藤氏の発言を、左派のウェブメディアとして名高い「リテラ」より要約して紹介します。

「頻繁に自らの内政を推進するために東京五輪の名前を出している。これはある面で、『五輪の政治利用』と言われても仕方がない」「(安倍首相の発言は)99条の憲法遵守義務に反すると指摘する人もいます」「都合が悪くなるとはぐらかしたり焦点をずらしたり、あるいはヤジに対応して茶々を入れたり、その『真摯な態度がない』というところが、いまのこの予算委員会の劣化の最大の要因」「森友問題というのは安倍総理にしか収束できない。誰が説明しても、誰も納得できない」「いまの政権はタガが緩んだのではなくタガが外れている」

ここで紹介したのは一例ながら、テロ等準備罪については、さらにヒートアップします。

とくに私が非常に心配なのは、北朝鮮情勢の緊迫化に伴ってですね、日本全体のなかにこの「テロ等準備罪」という名称に引きずられたような法案を積極的に容認しようという空気があるということ。逆にこういうときこそ、一歩留まって、慎重に考えるべきだと思うんですね。

うん、ここまで徹底的に批判し危惧するなら、解散総選挙は政策転換を迫る最大にして唯一のチャンス。安倍政権を支持しない国民が多数になれば良いだけのこと。どうしてこんな簡単なことがわからないのでしょうか。

無知とか思考力に異常がないのなら、安全な観客席から無責任な野次を飛ばす酔っ払いの野球ファンと同じです。発言の自由を否定はしませんが、公共の電波を使い、人様に披瀝するほどの意見ではないでしょう。

さらに「大義」についてもおかしな話しです。

テレビ朝日「モーニングショー」で、玉川徹テレビ朝日社員は執拗に「大義がない」と誰彼構わず噛みつきます。まるで躾のできていないチワワのようですが、これを政治評論家の田崎史郎氏がたしなめます。

安倍首相はいまだに解散するとはいっていない。だから解散の大義が何かもわからない。それについて、いまあるなし論をすること自体が間違っている。

(要旨)

これが「忖度」というものでしょう。総理が言ってもいないことをあれやこれやと推測し、議論しているのです。

読売新聞は擁護の角度から忖度し、消費税増税分の使用目的の見直しなどを掲げていますが、いま国民の信を問うなら1つしかありません。「憲法改正」です。一票の格差を解消するにせよ、地方分権を薦めるにせよ、憲法議論は避けて通れなくなっています。そしてなにより、「自衛隊の存在を憲法に明記する」こと。次の選挙でここまで踏み込まずとも、「議論を始める」ことを掲げたならば、「大義」は余りあるほどです。

北朝鮮の危機が眼前にある今、憲法九条はどうすべきか。憲法学者の大半が、自衛隊を違憲というのなら、その違憲状態を解消する手段は2つ。自衛隊を解散するか、憲法を変えるかです。

もっとも田崎史郎氏の説を支持して、私も首相が解散を宣言して、説明が為されるまで完全な態度は留保しますが、少なくともこの5月に安倍首相が憲法改正の議論に踏み込み、その延長上で解散総選挙があるのならば、国民に信を問う大義はあります。

そして大切なことなので明記しておきます。

信を与えるも与えないのも国民の権利であり、民主主義の国の国民の義務です。マスコミやコメンテーターが決めることではありません。

image by: 首相官邸

出典元:まぐまぐニュース!