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公共工事をめぐる談合を防止し、公正で自由な競争が行われるためには、入札制度のさらなる改革が必要だとして、日弁連は9月20日に意見書を発表し、同日付で国土交通省や公正取引委員会、各都道府県などに送付した。

意見書の柱は、(1)1000万円以上の工事を原則「一般競争入札」とすること、(2)最低制限価格を引き下げ、自治体が決める「入札予定価格」の80%程度とすること、(3)落札者が決まらない「不調・不落」対策ーーなど。

●一部の自治体では「落札率」が100%近くに集中

談合の可能性を探る指標に、落札価格を予定価格で割った「落札率」がある。一般的に100%に近いほど、談合の可能性が高いと推認される。

日弁連は2015年に都道府県と政令市を対象にした、入札制度に関するアンケートを実施。その結果、一部の自治体では、公共工事の落札率が95%以上に集中していることがわかった。

そこで意見書では、談合を防ぐ手段の1つとして、多数の業者が参加する一般競争入札の拡大を提案している。日弁連によると、法令上では一般競争入札が原則だが、アンケート調査の結果、5億円以上に限定している自治体もあったという。

また、入札予定価格の90%を下回る入札を排除している自治体も少なくなかったという。ダンピング防止の意味合いもあるため、一概に問題とは言えないが、日弁連は競争が限定的すぎると評価。ダンピング対策をとった上で、予定価格の90%程度の運用となっている最低制限価格を80%程度まで引き下げるべきともした。

●需要と供給のアンバランス

全体的に落札率が高い一方で、一社も手をあげない「不調」や全社が予定価格を上回ってしまう「不落」の増加も社会問題化している。背景には、災害の復旧工事や東京オリンピックなどの需要に対し、労働力や資材が不足しているなどの問題があるそうだ。

日弁連はこの点について、入札の際の地域制限を緩和するなど、国交省に入札参加者を増やす仕組みづくりを求めている。

このほか、意見書では、国では禁止になっている入札予定価格の事前公表の禁止や入札記録を5年以上ネットで公開することなどを求めている。

(弁護士ドットコムニュース)