「結婚したいんですよね」「なんで私は結婚できないんでしょうかね」

独身アラサーの女性から、こんなことを言われることがあります。相談なのか質問なのか。おそらく独り言です。アラサーになると、日常生活が俄然ザワザワし始めます。結婚する人、子供をもつ人が次々と現れ、「おめでとう」を連発する日々です。

それに引き換え、独身の自分ときたらどうでしょう。祝われるのは誕生日くらい。彼女たちと比べると、絶対的に「おめでとうポイント」獲得数が少ないのです。

人間は社会的な生き物です。他者からの評価が実感に繋がりやすいもの。

だから、おめでとうポイントがなかなか貯まらない自分の人生が「めでたくないものなんじゃないか=不幸」という気になってしまうんですね。

そして、落ち込み、
「学生時代、同じような生活をしてきた友だちが普通にできることが、どうして自分だけできないのか」と焦るのです。

年収1000万円の男と結婚したい女たち

先日、Twitterで「年収1000万円の男と結婚したい」がトレンド入りしていました。全国紙のwebコラムに「年収1000万円以上の男と結婚したい」女性のお悩み相談が掲載されたのがきっかけです。

相談者が回答者にさんざんダメ出しされている、ごもっともな内容の一般的な記事でしたが、「年収1000万円以上の男と結婚したい」というワードのインパクトが強かったようです。

その記事の中に、相談者に対して、「なぜ結婚相手が年収1000万以上の男じゃないとダメなのか」という質問がありました。それに対して、相談者の方は「普通の暮らしをするにはそのくらいの収入が必要。周囲の友だちもそう言っているから否定される理由がわからない」というような発言をしています。

「周囲の友だちも〜」のくだりを鑑みるに、彼女の根底に「みんなができることを自分ができないなんておかしい」という気持ちがあるように思えてなりません。「そのくらい収入のある男性と結婚しないと、“おめでとうポイント”が稼げないと思っているんじゃないでしょうか。

結婚の目的がポイント獲得になってしまっています。

これまた先日のことですが、独身アラサーの同業者から「明日、合コンでLINE交換した人とデートなんです」と言われました。

どんな人?と聞くと、「37歳の大手広告会社の人なんですけど……。彼女はいないって言っているんですが、独身なのかどうかは、まだ」とのお答え。まぁ、彼女はいないけど、よくよく聞いたら妻はいるっていうケースは珍しくありません。

「あずきさんが、独身でDVじゃなくて、自分の食い扶持くらいは稼げる仕事をしてて、顔が生理的に嫌じゃなければとりあえずGOだってしょっちゅう言うから、ごはんに行くことにしたんですけどー」とポソポソと話す顔はどんよりと曇っています。

なので、気が進まないの?と聞くと、いきなり、けっこうな大きさの声で「あ〜あ〜。その人、私と結婚してくんないかな〜!」と吐き捨てるのでびっくり。

え?好きになれそうなの?彼のこと?と聞くと「ま〜、ルックスは全然タイプじゃないですけど、仕事してるし……。大手広告代理店だから、37歳なら年収は1000万円超えてますよね」。確かに、私は彼女に毎度「そんなに結婚したいなら、付き合う前から選り好みしていないで、デートしてみな。会って話してみたら、気が合うかもしれないし」と言っていました。

結婚には「気が合う」ことが重要だと思ったからなんですが。

気が合うかどうかっていうのは、相互のコミュニケーションによって図れるもので、たとえ「現場に赴いた」からといって、「待ち」の姿勢を貫いたまま「結婚してくんね〜かな〜」ともやもやしながら佇んでいても、相手に気持ちは伝わらないと思うんですけどね……。

「結婚したい」理由が「おめでとうポイントを獲得したいから」の場合、「待ち」の態勢になりやすいんじゃないかと思います。だって、本当のところは、「別に、結婚しなくてもいい」んだもの。

基本、結婚は他人と暮らすことです。自由度は格段に下がります。好きな相手とじゃないと、一緒に暮らしていけないですよ。まー、大手広告代理店だと、忙しくて、あんまり家に帰れないと聞くので、四六時中一緒で土日もゴロゴロしていて、「邪魔だし、息が詰まる」ということはないのかもしれませんが……。

確かに、お金は多いに越したことありませんけど、年収1000万円以上が結婚相手のボーダーでしょうか。

その彼女に「結婚したいんじゃなくて、お金が欲しいのでは?」と聞いたら、「まぁ……そうですね。実は今の仕事が不安で……。自分で年収1000万円稼げるんだったら、結婚しなくてもいいんですけど……」。

「自分の年収1000万円は友達からの“おめでとうポイント”に勝る」という彼女。「だって、別に、私、子供が欲しいわけでもないんですよ」

アラサーの「結婚したい」という発言には、「今、彼氏がいなくて寂しい」「仕事がブラックで辞めたい」「結婚した友達から心配されてムカつく」など、様々な意味が込められています。だから、文字通りに受け取ることはできません。

その2では「もうとにかく、誰でもいいから結婚したいんです」な独身アラサー&アラフォーに真意を聞いてみました。もう、みんな、今の人生に疲れ切っています……。

ちなみに、年収1000万円の会社員の手取りは700万円から800万円で、日本人男性の6.8%ですってよ。