米ニューヨーク市内で発表された「ヴィッキー・ザン」18年春夏コレクション(2017年9月13日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】2人の中国人デザイナーがニューヨーク・ファッションウィーク(New York Fashion Week)で、ソフトボールで遊び、公園やサマーキャンプに元気に飛び出すようなアメリカの子どもたちとは少し違った子ども時代を提案した。

 才能あるアメリカ人クリエイターたちがヨーロッパへと発表の場を移す中、ジャ・リュ(Jia Liu)とシンイン・シュ(Xinyin Xu)は、アメリカの文化の中心地、ニューヨーク(New York)で半年ごとに開催されるファッションの祭典に嵐を巻き起こしている中国人デザイナーの代表だ。彼らはまた、母と娘、父と息子へと向けた「親子ファッション」と呼ぶ分野を専門にしている。母親がパーティーへとドレスアップすれば、小さな娘も彼女と同じ格好をすることができるのだ。

 シュのブランド、「ヴィッキー・ザン(Vicky Zhang)」は、彼女のインスピレーションである4歳になる娘の名から付けられた。ドロップショルダーの白いラッフルドレスや、長いトレーンのお姫様のようなクリノリンドレスなどをラインアップしており、ドレスはすべて繊細なホワイトや淡いイエロー、ベイビーブルー、ソフトなミントカラーで彩られている。数百ドル(数万円)を子供服に費やす母親たちにとってこれは、娘たちの豪華なドレスへの憧れをかなえてあげるチャンスであり、すっかり魅了されたファッショニスタたちからは感嘆の声が漏れた。

■誰もが買えるプリンセスドレス

 もちろん男の子たちの存在も忘れられてはいない。深緑色のシルクのニッカーボッカースーツや、スパンコールが装飾された白シャツ、スカートを重ねた中国風の男児用スーツや、薄いイエローのケープも提案されている。  子どもたちに適した服装ではないという意見はさておき、「このコレクションが子どもたちをエレガントで立派に見せられたら嬉しい」とシュは通訳を通してAFPの取材に語った。「私は、娘には悠々としてほしいし、娘は美しいドレスを着るときはいつも注意を払っているわ」

 インスピレーションとなったのは唐王朝、中国が世界中で最も繁栄した国だとされた時代だ。彼女の子ども服の価格帯は1,000〜2,000元(約16,000〜33,000円)。ファッションウィークで発表された、涙が出るほど高いほかの服に比べたら、バーゲンと言っていいだろう。「誰もが買えるようにしたいから」と彼女は説明する。

 絵文字からインスパイアされたというリュのコレクションは、もっと風変わりだ。漫画風の言葉が服にプリントしてあり、父と息子にはパーカーやブラックデニム、母と娘には繊細なピンクとホワイトの作品で構成されていた。

■中国にとっての大きなビジネスチャンス

 ニューヨークにおける中国人の増加は、母国での成長するビジネスの影響や西欧でも発揮する才能、アメリカでの売り上げ増加への自信が背景にある。

 上海(Shanghai)を拠点とするデザイナーのワン・タオ(Wang Tao)が率いる「タオレイ・ワン(Taoray Wang)」は、米大統領の娘であるティファニー・トランプ(Tiffany Trump)のお気に入りだ。中国人デザイナーらは国際的なビジネスのプラットフォームとして、ニューヨークに来ることを好むと、タオは言う。「中国経済は成長し、急騰している。多くのデザイナーたちは、ここで自分たちの服を発表したがっている。それがニューヨーク・ファッションウィークに新鮮さをもたらしてもいる」とAFPの取材班に語った。 リュやシュのように、すでに中国で成功している人々にとって、次のステップは自然と米国でビジネスを始めることになる。今回、リュにとって2度目のニューヨークだが、フランスで修行した彼女は次のシーズン、パリ(Paris)でショーを行う可能性も探っていると認める。「ニューヨーク・ファッションウィークはとても商業的だから」と彼女は通訳を通して語った。「ファッションウィークには2種あると思う。パリはもっとハイファッションで、ニューヨークは商業的なストリートファッションだ」

■中国ブランドに求めるのは見栄えだけ?

 北京オペラからインスピレーションを受けた、若きデザイナースノウ・シュエ・ガオ(Snow Xue Gao)は、イーストヴィレッジ・ギャラリー(East Village Gallery)で初のソロ・ショーを行なった。彼女はいつか女優のケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)の衣装を担当することを夢見ている。 ニューヨーク在住の彼女もまた、「ロダルテ(Rodarte)」や「アルチュザラ(Altuzarra)」といったブランドがパリへと移ったことを、他ブランドが輝くチャンスだと見ている。しかし中国をインスピレーションとするなら、西欧のクライアントは第一に美しい服を求め、その起源についてはそこまで気にしないのだと言う。「彼らは体にあって、見栄えがよく、プリントが気に入ったものを購入する」とAFPに語った。「今の顧客は『アジア文化が本当に大好きだから、このドレスが欲しい』なんて感じではないと、私は思う」
【翻訳編集】AFPBB News