12-13イングランドFAカップ準々決勝再試合のチェルシー戦で、試合に臨むマンチェスター・ユナイテッドのリオ・ファーディナンド(2013年4月1日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】サッカー元イングランド代表DFで、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)などで活躍したリオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)氏が19日、現役引退から2年を経て、新たにプロボクサーとしてのキャリアを歩み始めると表明した。怒りをぶつける場がほしいことが理由だとしているが、ボクシング関係者は「世間知らずもはなはだしい」と批判している。

  2015年5月に現役を退き、現在はBTスポーツ(BT Sport)とBBCでサッカー解説を務めているファーディナンド氏は、引退前に妻のレベッカ(Rebecca Ellison)さんを乳がんで亡くすと、母親も同じくがんで失っており、「この数年はいろいろなことがあった。これはそうしたことへの攻撃的な気持ちとか、時に感じる怒りを何か集中できるものに振り向けるためなんだ」と話した。

「引退して以来、そういうものを探していたんだと思う。実戦のヒリヒリする感じが恋しいんだ。ここ数年かのことがあったから、そういうものに集中したい」

「ボクシング界には最大の敬意を払っている。世界王者になると言ってるわけではない。乗り越えるべきハードルがいくつもあり、それに正面から立ち向かうと言っている。危険があることは百も承知だし、これがサーカスだなどとは思っていない。誰もばかにするつもりはない。真剣に取り組む」

 ファーディナンド氏は今回、オンライン・ブックメーカーのベットフェア(Betfair)が主催する「ディフェンダー・トゥ・コンテンダー(Defender to Contender)」というプロジェクトを通じてボクシングに挑戦することになった。同氏はプロジェクトのPR動画で「(サッカーで)数々のタイトルを獲得してきたが、これからはベルトを目指す」と宣言。階級はクルーザー級で、元世界王者のリッチー・ウッドホール(Richie Woodhall)氏の指導を受ける。

 しかし、現在38歳のファーディナンド氏は、英国ボクシング管理委員会(BBBofC)からプロライセンスを保証されているわけではなく、委員会がライセンスの申請を却下すれば、計画は途中でとん挫する可能性もある。

 ウッドホール氏も「そこが最大のハードルだ。10〜12週間トレーニングを積んで技術を伸ばし、その後はスパーもさせたい。委員会は彼を見て、本当にやれるかを確かめたいと思うだろう。これからその調整を進めたい」と話した。

 しかし、プロモーターのバリー・ハーン(Barry Hearn)氏は、ファーディナンド氏を「世間知らず」と評し、BBCのラジオ5(BBC Radio 5)で、タイトルを目指すなどという話を真剣に受け止めるべきではないと批判的なコメントを寄せている。

「世間知らずもはなはだしいし、完全にボクシングをなめている。しかし、やりたいことをやりたいときにやるのは本人の自由であり、彼の人生だ。上の連中はなんとしてもこのスポーツを守ろうと立ちふさがると思うし、リングに上がるには非常に厳しい試練をくぐり抜けなくてはならない」

 管理委員会のロバート・スミス(Robert Smith)事務局長は、ファーディナンド側からのプロライセンスの申請はまだないと明かし「寝耳に水だ。申請は受けていないから、検討のしようもないし、関係者と話をしたこともない」とコメントした。
【翻訳編集】AFPBB News