ラツィオ戦でドッピエッタを記録したペッレグリ。弱冠16歳の超新星だ。写真:Alberto LINGRIA

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 9月17日のセリエA4節ジェノア対ラツィオ戦は、今シーズン絶好調のチーロ・インモービレが前節のハットトリックに続くドッピエッタ(2得点)を決めて、3-2でアウェーのラツィオが勝利を持ち帰った。
 
 しかしこの試合で最も大きな注目を集めたのは、もうひとつのドッピエッタを決めた選手、ジェノアのCFピエトロ・ペッレグリだ。
 
 2001年3月17日生まれの弱冠16歳。昨年12月、15歳280日でセリエAデビューを果たして79年前の最年少出場記録に肩を並べ、5月には昨シーズン最終戦となったローマ戦(フランチェスコ・トッティの引退試合)でセリエA初ゴール(史上3番目の若さ/21世紀生まれでは5大リーグ初の得点者)を決めるなど、すでに大きな注目を集めてきたビッグタレントである。
 
 身長196cmという大型の体格だが、その高さと比べればずば抜けたコーディネーションの持ち主で、身のこなしは敏捷、スピードも爆発的な初速を誇るという怪物だ。
 
 本人の憧れはズラタン・イブラヒモビッチ。その元スウェーデン代表FWのように威圧的で厚かましい振る舞いを見せるわけではないし、体格的にも比べればまだ線が細いが(78kg)、ペッレグリはまだ16歳。身長もこの1年で3cmほど伸びるなどまだ成長は止まっておらず、ゆくゆくはイブラヒモビッチ並みのモンスターに化ける可能性もある。
 
 プレースタイルも大型FWにありがちな、最前線中央で基準点となり縦パスを収めてチームの押し上げをサポートするといったものではなく、むしろオフサイドライン上でDFと駆け引きしながら裏を狙ったり、敵2ライン(DFとMF)間で前を向いてドリブルで仕掛けたりという、スピードとテクニックを武器とするCFのそれだ。ラツィオ戦での2ゴールも、いずれも裏への飛び出しでDFを出し抜いて決めたものだった。
 
 昨シーズン最終戦で決めたセリエA初ゴールも、敵陣の浅い位置から裏に飛び出し、並走するコスタス・マノラスをぶっちぎってそのままシュートという典型的なカウンターアタックから。スピードとフィジカルコンタクトを含めた対人能力ではセリエA屈指のCBであるマノラスに走り合いで競り勝つというのは、並みのFWには無理な注文である。
 
 昨シーズン主にプレーしたプリマベーラ(U-19)、そしてU-17代表などユースカテゴリーの試合では、中盤に下がってパスを受けたところから体格とパワーにモノを言わせた強引なドリブルでゴールを目指すという、それこそアヤックス時代のイブラヒモビッチを彷彿とさせるようなプレーも見せていた。
 
 しかし、そんなプレースタイルがセリエAでは通用しないことは、本人も周囲もよく分かっているということだろう。
 ペッレグリは地元ジェノバで、家族全員がジェノアーノ(ジェノア・ファン)という家庭に生まれ育った。当然のようにジェノアの育成部門に入るとすぐに頭角を現わし、クラブは父親に育成部門のチームマネジャーとしてフルタイムの仕事を提供するなど、先手を打ってこのタレントの囲い込みに動いた。
 
 それが間違っていなかったことは、すぐに明らかになった。2015年1月、ローマ育成部門責任者のブルーノ・コンティがそのタレントに惚れ込み、冬の移籍マーケットでマルコ・ボリエッロ(当時の市場価値は100万ユーロ)と交換での獲得をオファーしたが、これをジェノアが拒否する。
 
 その半年後の2015年夏には、マンチェスターで行われたナイキカップ(2000年生まれ世代のトーナメント)で、ジェノアがレアル・マドリーなどを破って決勝まで勝ち上がり、1年飛び級で出場しながら攻撃の中核を担った14歳のペッレグリにも大きな注目が集まった。それから間もなく、ナイキが年間5万ユーロ(約640万円)の4年契約というティーンエージャーには破格の条件で個人スポンサー契約を結んだほどだ。