中国・四川省内の工事現場で発生した転落事故で、作業員男性の肛門付近から右肩付近にまで鉄筋が突き刺さった。男性は病院で緊急手術を受けたが、鉄筋は大きな血管を傷つけておらず、重要臓器の致命的損傷もなかった。男性は一命を取りとめた。

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地元メディアの成都商報が19日付で伝えたとろによると、事故発生は18日だった。男性は中国・四川省内の工事現場で働いていた。感電のショックで足場から転落。下には太さ1センチメートルほどの鉄筋が、垂直方向に据え付けられていた。男性は尻から落ちた。鉄筋が肛門付近から突き刺さり、胴を貫いて右肩付近に達した。男性は成都市内にある四川大学華西医院(病院)に搬送された。

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極めて深刻な事態であることは、素人にも分かる。医師らは直ちにレントゲン撮影などを行った。幸いなことに、体内で大出血が発生している兆候はなかった。生体反応は安定していた。男性は意識もはっきりしていた。ただ、精神的には動揺していたという。

いずれにせよ、男性を救うためには手術で鉄筋を除去せねばならない。四川大学華西医院胸部外科主任の馬林医師によると、外科医や泌尿科医など多くの医師が手術に加わった。まず男性の胸腔(くう)と腹腔を開けた。肛門付近から男性の体に入った鉄筋は、ぼうこうと直腸の間を通っていた。馬医師によると、ぼうこうと直腸は通常はくっつき合っている状態で、その隙間を通り抜けることは、ほとんど考えられないという。

鉄筋は腹腔内でも、大きな血管には当たっておらず、小腸の一部を傷付け膵臓(すいぞう)の一部をこすっていただけだった。馬医師は、「大きな血管を傷つけていたら大出血をして極めて危険な状態だった」「膵臓、十二指腸、胆のうなど集中する臓器を傷つけていたら、手術は極めて困難になった」と述べた。

鉄筋は肝臓の後部を通過して左側の肺に突き刺さっていた。馬医師は「血管が多い右側の肺に入っていたら、男性は持ちこたえられなかっただろう」と述べた。鉄筋は心臓をかすめるようにして右上に向かっていた。手術を担当した別の医師は、ある程度の気胸が発生していたがそれほどひどくなく、出血もほとんどなかったとして「鉄筋の角度がほんの少し違って血管や心臓を傷つけていたら、けが人は長く持ちこたえられなかった」と述べた。

鉄筋は、男性の一番上の右側肋骨(ろっこつ)の下で止まっていた。医師らによると、鉄筋がさらに上の鎖骨部分に到達していたら、重要な動脈や静脈を傷つけて、危険なことになっていたという。

医師らは傷ついていた肺や肝臓の一部を切除し、破損していた小腸を縫い合わせた。その後、太さ1センチメートル、長さ1.2メートルの鉄筋を抜いた。鉄筋を抜く作業は短時間で終えることができたという。

手術後、男性は集中治療室に収容され、容体は安定している。馬医師によると、手術中に男性が失った血液は500ミリリットルで「献血1回で採取する血液量(400ミリリットル)よりも100ミリリットル多いだけで、たいした影響はない」という。

馬医師は、男性が助かった最大の理由は鉄筋が重要な血管を一つも傷つけなかったことと説明。「どの部位の血管に突き刺さっていたとしても、生存は難しかった」と述べた。成都商報は同事故について「不幸中の大きな幸い」と評した。(翻訳・編集/如月隼人)