米ペンシルベニア州ブルームスバーグにあるショッピングモールで、空き店舗の前を歩く人々(2017年7月24日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】小売業界がインターネット通販最大手の米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の台頭によって激変するなか、米国のショッピングモール業界も曲がり角を迎えている。これまで集客の核となってきた百貨店が続々撤退。それを埋め合わせようと、客層などを絞った小規模店や体験を楽しむ「コト消費」の施設など、従来と異なるタイプのテナントで誘客を図ろうとしている。

 米国のモールは20世紀後半に急速に発達し、国民の消費動向を敏感に反映してきた。それに今、変化が起きている。

 例えば、優良なモール物件のテナントを見ると、プラスサイズの服のブランド「エロクイ(Eloquii)」など、ネット通販から実店舗に進出する業者や、キャンディーや「紛争フリー」のダイヤモンドといったニッチな商品を販売する店舗が増えてきている。

 場合によっては、これらの小売店は、百貨店大手のメイシーズ(Macy's)など既存のチェーン店から文字通りスペースを奪っている。

 また、新興ハンバーガーチェーンの「シェイク・シャック(Shake Shack)」、ゲームセンターとスポーツバー、レストランが一体になった「デイブ・アンド・バスターズ(Dave & Buster's)」なども登場。デイブ・アンド・バスターズは、よく言われる「モノからコトへ」という消費者の関心の移動を体現するような店舗だ。

 モールの変容の背景にあるのが、アマゾンに代表される電子商取引(EC)企業がシェアを奪い、消費者の期待を変えているという小売業界全体の変化だ。

「今の消費文化は30年前とは違う」。小売業界のアナリスト、ダナ・テルジー(Dana Telsey)氏は指摘する。モールは「新しいものを見られるわくわく感」などを与えてくれるので、これからも残ると予想する半面、今起きていることは何年にもわたる変化の序盤の段階に過ぎないともみている。

■3割が閉鎖の危機

 不動産調査会社グリーン・ストリート・アドバイザーズ(Green Street Advisors)は今年1月、米国内のモールのうち1070か所を調査したところ、入居率の低下、売り上げの減少、社会経済的な人口動態の弱さ、アンカーストア(核店舗)の不在などが原因で「閉鎖のリスクあり」に分類されているモールが330か所余りに達していると報告している。

 最も厳しい状況に置かれているモールの多くは、1960〜70年代に建設され、百貨店が各店舗の役割を果たしていた。

 EC時代が到来し、価格の透明性が高まったため、モールは価格に敏感な消費者をアマゾンだけではなくディスカウントショップとも奪い合わなくてはならなくなっている。
【翻訳編集】AFPBB News