今回発表されたGRシリーズ9種11モデル

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トヨタ自動車(以下、トヨタ)は9月19日、新たなスポーツカーブランド「GR(ジーアール)」を発表。その第1弾として、「ヴィッツ」「プリウスPHV」「ハリアー」「マークX」「ヴォクシー」「ノア」の6車種7モデルの発売を開始し、同日、お台場のMEGA WEBにて披露した。

【写真を見る】2018年春までに4モデルを追加し、国内で月2000台程度の販売を計画する

世界ラリー選手権などに参戦するトヨタのモータースポーツブランドGAZOO Racing(ガズーレーシング)の頭文字からとった「GR」は、エンジンの性能を高め、“究極のスポーツモデル”を追求した「GRMN」を頂点に、量販スポーツモデルの「GR」、気軽にスポーツモデルを楽しめる「GR SPORT」の3つのシリーズを設定。

「ヴィッツ」にGRとGR SPORT、「プリウスPHV」「ハリヤー」「マークX」「ヴォクシー」「ノア」にGR SPORTの全6車種7モデルを投入し、2018年春までに9車種11モデルに拡張を目論む。また、ノーマル車ユーザー向けにカスタマイズを楽しめるアフターパーツ「GR PARTS」も用意されるという。

当日はその他にも、今冬の発売が予定される「GR 86」「GR SPORT プリウスα」「GR SPORT アクア」や、2018年春の販売が予定されている「GRMNヴィッツ」を展示、メディアに披露された。

発表会の壇上に上がったGAZOO Racing Company Presidentの友山茂樹氏(トヨタ自動車専務役員)は、GRブランドについて「GAZOO Racingがレース活動で得た知見を生かして、これまでのスポーツモデルを集約したGAZOO Racingならではの新たなスポーツブランド」と語っている。

これまでトヨタでは、スポーツコンバージョン車シリーズ「G Sports(通称G's=ジーズ)」を展開していたが、今後は全てGRブランドに統一され、一層の充実を図るという。

GRシリーズはレースにおける機能性を重視したデザインをモチーフに、ひと目で走りを感じさせるエクステリア、質にこだわったインテリアを採用。加えて、GAZOO Racingドライバーが味付けしたという乗り味は、運転が突然上手くなったと錯覚するほど、意のままに操れるという自信作だ。

乗り味を支える車体にはあらゆる箇所に高剛性チューニングが施されるが、この点について友山氏は「GRシリーズは完成車に後から手を加えるのではなく、生産工程の中に『GR』専用のチューニング工程を組み込み、生産ラインや車体内部から剛性を強化する“ファクトリーチューニング”を施し、高品質で低価格のスポーカーを提供したいというわれわれの思いを実現した」と語る。

また、GRブランドの立ち上げを機に「GRガレージ」の展開も発表。“町一番の楽しい車屋さん”をコンセプトに、「GRコンサルタント」という専門性の高いスタッフが常駐し、GRに関する相談に乗ってくれるなど、“車を共に楽しむ”という構想だ。

若者の車離れがいわれて久しい日本であるが、「86」や「G's」のスポーツモデルを購入した3、4割は30代以下の若年層であったという。GRガレージは若年層とのフェイス トゥ フェイスによるコミュニケーションの場という役割も担うそうだ。

GRガレージは、2018年3月にかけて全国で39の店舗が順次立ち上がり、同年以降についてもGRガレージの輪を徐々に広げていくという。なお、GRシリーズは従来の取り扱いチャンネルの全ての店舗で販売されるが、「GRMNヴィッツ」はGRガレージのみでの取り扱いになるという。

GRシリーズのアンベール(発表)後には、GAZOO Racing Companyの開発関係者にTGRドライバーとして活躍する4選手を交えた10名によるトークセッションが行われた。

その途中でGAZOO Racingドライバー“モリゾウ”としてレースにも参戦する、豊田章男トヨタ自動車代表取締役社長がサプライズ登場し、セッションにも参加。GRそしてGAZOO Racing Companyへの想いを次のように述べた。

「GRはいわば私の悔しさから始まりました。ニュルブルクリンクで走行を始めた時、当時すでに発売中止になっていた『スープラ』を使っていました。この後2、3年後に出す車を他メーカーとバトルしながら開発する中、“トヨタは中古でしか買えない車しかできない”そう言われているようでした。

車は単なる移動手段ではなく、同時に感動を与えたい。どんな時代になっても車を“愛車”といわれるものにしたいし、全ての人にファン トゥ ドライブ“運転する楽しさ”を提供したい。

そのためには、ある程度道を知り、人を知り、人を鍛え、そして愛の付く車作りという同じ志を持った仲間が必要です。ですからある面で、このメンバーはもっといい車作りを行う同志であると思います。

GAZOO Racing Companyは非常に小さい会社ですけれど、小さいからこそ大企業トヨタにはできないことができるということを、私は社長としても応援していきたいと思っております」

欧米の自動車メーカーを中心に電気自動車(EV)戦略を打ち出す中、トヨタの新たな挑戦が今始まった。【ウォーカープラス編集部】