台湾は、北朝鮮への原油および石油の輸出と、北朝鮮製の繊維製品の輸入を禁止する制裁措置を発表した。

台湾の経済省は19日、台湾産の液化天然ガス(LNG)、原油、精製油の北朝鮮への輸出を全面禁止する内容の声明を発表した。経済省はこれとは別に、北朝鮮製の繊維製品の輸入を禁止するという内容の声明も発表した。いずれも制裁は即日発効となったが、11日より前に結ばれた契約に基づく輸出については、当局の許可を得た上で12月10日まで搬出できるとした例外措置を設けた。

9割超も減少

台湾は国連に加盟していないが、国連安全保障理事会で採択された対北朝鮮制裁決議に従う方針を度々表明している。

北朝鮮が15日に行ったミサイル発射実験を受けて、総統府は、国際社会の反対と国連の決議を顧みず、武力をもって地域の安全を脅かしていると北朝鮮を非難すると同時に、安保理決議に沿った制裁措置を確実に実行するとの声明を発表している。

また、国連安保理の制裁決議2270号、2321号、2371号に従い、6月に北朝鮮産の石炭、鉄鉱石など37種類の鉱物資源などの輸入を禁止し、8月には海産物、鉛の輸入を禁止する措置を取っている。

経済省国際貿易局の資料によると、台湾は北朝鮮から石炭、マグネシウム、サポナイトなどの鉱物資源を輸入し、アミノ酸、タイヤ、医療機器などを輸出していた。両国の貿易額は2014年前半期に約2785万ドル(約31億円)に達したが、その後減少を続け、今年前半期には約128万ドル(約1億4300万円)となり、3年で95.4%も減少した。