米国政府の高官は、北朝鮮がミサイルの液体燃料として使っている非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)について、この燃料を自主生産できる能力を保有しているとの見方を示した。米ニューヨーク・タイムズが報じている。

米国家情報長官のティモシー・バレット報道官はニューヨーク・タイムズの取材に「北朝鮮の示してきた科学技術能力を考えると、おそらくUDMHを自主生産できるものと思われる」と述べた。一方で、UDMHの製造は危険かつ技術的に困難で、北朝鮮は製造できないだろうと懐疑的に見る専門家もいる。

大爆発で死傷者

UDMHは猛毒で爆発しやすい物質だ。

旧ソ連のバイコヌール宇宙基地では1960年、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が発射時に大爆発を起こし、多くの死傷者が発生している。そのため、ロシアはこの物質の製造、保有に及び腰だ。また、米NASAも1966年にこの物質の危険性に警告を発し、それ以降は固体燃料に切り替えた。現在、UDMHを主に製造しているのは中国だ。

米情報機関は、この物質が中国やロシアから北朝鮮に持ち込まれていたと見て調査を行っており、もし今でも持ち込みが続いていると判明すれば、国連安全保障理事会の既存の制裁でブロックできるか検討する方針だ。

北朝鮮がミサイルのエンジンと燃料を外部から調達しているという情報は以前からあったが、米国政府が調達阻止に動いた形跡はないとニューヨーク・タイムズは伝えている。

米国が、北朝鮮のミサイル開発を中止に追い込むか、遅らせるためにはUDMHをブロックしなければならないとの声が高まっている。

米上院外交委員会のエドワード・マーキー議員(民主党)は「もし北朝鮮がUDMHを保有していないとしたら、米国をミサイルで脅かすことはできないはず」「情報当局は、北朝鮮はどこからUDMHを調達したのか、どれぐらい備蓄しているのかについて明らかにすべき」と述べた。