ワークスチューニングとは、無限(ホンダ)、TRD(トヨタ)、NISMO(日産)、STI(スバル)といったメーカー直系のレーシング部門といえる組織が、そのノウハウを市販車向けにフィードバックして生み出されたチューニングをイメージさせるのではないでしょうか。

そのワークスチューニンググループ4社が、『群サイ』の愛称で知られる群馬サイクルスポーツセンターを会場に合同試乗会を開催しました。荒れた路面とアップダウンの激しいコーナーの続くシビアなコースは「日本のニュルブルクリンク」とも呼ばれる難コースですが、だからこそワークスチューニングにより高められたパフォーマンスを味わえる貴重な機会ともいえます。

無限は3台のフィットを群サイに持ち込んでいました。ベース車は、標準車、スポーツバンパーグレード、そして走り派に注目のRSグレードとなっています。

マイナーチェンジしたフィットに対して、標準車にはアンダースポイラーを中心としたエアロパーツを、RSを含むスポーツバンパー車にはフルバンパータイプとアンダースポイラーの2種類を用意する無限。さらにマイナーチェンジ前モデルにも対応するエアロボンネットなど多くの新作を用意しています。

今回は、スポーツサスペンションや17インチホイール(タイヤはポテンザ・アドレナリンRE003)などでシャシー性能を高めたRSに注目して、そのパフォーマンスを味わってみることにしましょう。

今回の試乗コースは、フィットRSのギア比でいうと、2速を中心にストレートで3速、タイトなヘアピンで1速を使うといった設定。低めのギアで回転数を上げて走りますからエンジンにも負担はかかりますし、トラクション確保の面でも厳しいシチュエーションといえます。

しかし、無限のチューンしたフィットRSを走らせていると、そのポテンシャルはもっともっと上にあることを実感します。前後タイヤをしっかりとグリップさせているのでタイトコーナーでもタイヤが空転することなく、しっかりと前に進んでいくのです。また、ブレーキパッドとサスペンションのマッチングも上々で、ブレーキングを奥まで我慢するような乗り方をしても、リヤの接地性が損なわれるような感触もありません。

エキゾーストノートも勇ましく、そのドライブフィールは1990年代のシビック(EF型、EG型)のそれを思い起こさせるもの。軽量なホットハッチでワインディングを走る楽しさは無限フィットRSに受け継がれているのです。

しかも、コクピットに装着された3連メーターを見ると、走りっぷりに対して水温が上がっていないことに驚かされます。低いギアで全開走行を繰り返せば、水温は100度に迫っていくはずですが、80度台に抑えられているのです。これこそ、まさにエアロボンネットの効果。ラジエーター後方にたまった熱をボンネット内の通路に導き、左右のダクトから排出するという凝った構造が、1.5リッターエンジンの性能を引き出します。

こうした凝った構造としているのは雨がエンジンルームに入らないようにするためで、そうした配慮もワークスチューニングならでは、といえそうです。

アピアランスチューンの完成度が高いことはひと目で感じられる無限のワークスチューニング、パフォーマンス面でもモータースポーツからフィードバックされたノウハウにより、ベースモデルのポテンシャルを引き出していることが確認できました。

●主な装着パーツと税込価格
エアロボンネット(13万8240円)
フロントスポーツグリル(5万1840円)
フロントエアロバンパー(12万25280円)
フロントアンダースポイラー(スポーツバンパー用2トーン仕上げ:6万480円)
フロントアンダースポイラー(スタンダードバンパー用:5万2920円)
サイドスポイラー(6万2640円)
カーボンアッパーウイング(6万4800円)
リアアンダースポイラー(スポーツバンパー用:6万3720円)
リアアンダースポイラー(スタンダードバンパー用:5万2920円)
ウイングスポイラー(標準車用:7万200円)
スポーツサスペンション(13万5000円)
スポーツサイレンサー(9万1800円)
アルミホイール「MD8」(フラットブラック:3万8800円/本)
アシストメーター(14万400円)
ブレーキパッド(1万40円〜2万3760円)
ブレーキローター(3万240円〜3万2400円)
ドアハンドルプロテクター(3024円)
カーボンセレクトノブ(ハイブリッド用:1万9440円)

(写真・文:山本晋也)

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