バイト代のトラブルで警察沙汰に

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 中国では8月から9月にかけて、山東省煙台市や江蘇省蘇州市などのテーマパークや建設現場など10カ所以上で、高校生や大学生の夏休み期間中のアルバイト代金を経営者が踏み倒す事件が続発している。江蘇省では100人以上の学生のアルバイト代金計43万元(約730万円)が未払いになっており、警察が乗り出す事件に発展している。

 経営者がまだ労働経験が乏しい学生を見くびって、賃金の支払いを渋るケースがほとんどだが、学生もデモや集会などで対抗しているほか、テーマパークに立てこもって、建物の屋上から「飛び降りる」と脅すなど、強硬手段に出るケースも出ている。中国大陸の労働争議をウォッチしている香港のシンクタンク「中国労工通信(チャイナ・レーバー・ブリティン)」が報じた。

 同通信によると、中国東北部山東省煙台市のスポーツジムでは夏休み期間中に、地元の高校生100人以上をアルバイトとして雇って、戸外で建物の建設工事や庭などの整備を頼んだ。

 ところが8月の炎天下での作業のため、高校生50人以上が熱中症にかかり、救急車で病院に運ばれ、入院を余儀なくされる事態に。その治療費は高校生やその家族が支払い、会社側は「我々には責任はない」として治療費を一切、支払わなかった。

 そればかりか、その間のアルバイト代金の支払いも予定の期日になっても支払わなかったことから、高校生やその家族がジムの前でデモや集会を行い、給料の支払いを迫ったという。結局、デモは1週間も続き、騒ぎが拡大したことから警察も出動したことで、会社側が計30万元のアルバイト料を渡したという。

 また、江蘇省でもプールなどを中心としたテーマパークで、夏休み期間中のアルバイトをしていた100人以上の大学生らの給料の支払いが滞ったことから、学生らは8月30日、ウォーターコースターの一番高い階段上から「飛び降りる」などと経営者らに迫った。これが付近住民を巻き込んで大騒ぎとなり、警官隊も出動したことで、経営者は学生側に翌日、支払いに応じることを約束し、その場は収まった。

 ところが、翌日午前中、決められ時間に大学生らがテーマパークに行ってみると、トラックなどで、入り口が封鎖され、門のカギも閉っていたことから、学生らは警察に訴えることになった。結局、経営者は警察の説得に応じて、100人分の給料計43万元を支払ったという。

 このほか、北京市や上海市、遼寧省瀋陽市などでも同じようなアルバイト料踏み倒し(未遂)事件が発生したという。

 このような事件が続発した理由について、「中国労工通信」は「経営者は学生との契約の際、書面での雇用契約を作らず、口頭での約束という形をとっている。このため、いざ支払う段階になって、支払いを渋り続ければ、学生らも授業などがあって、うやむやにできると学生らをみくびっている。しかし、いまや中国でも学生らの権利意識は高まっており、甘く見ると、デモや集会など大人顔負けの手段に訴えるケースが多くなっている」と指摘している。