第1次世界大戦時のドイツの潜水艦「Uボート」。フランスのペロンヌ大戦博物館提供(場所不明、1916年撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】第1次世界大戦(World War I)中に北海(North Sea)で沈没した、保存状態の良いドイツ軍潜水艦の残骸が潜水チームによって発見された。艦内には乗組員らの遺体が今も残されている可能性があるという。ベルギー当局が19日、発表した。

 ベルギーの港湾都市オステンド(Ostend)沖合の水深30メートルの海底に横たわるこの残骸を調査したダイバーの話によると、潜水艦の良好な状態は、乗組員23人の遺体がまだ内部に残っている可能性があることを示唆しているという。

 今年の夏に潜水艦の残骸を発見したダイバーで、海洋考古学専門家のトーマス・テルモーテ(Thomas Termote)氏(42)はAFPの取材に、ベルギー領海内で発見された1914〜1918年の大戦中の独軍潜水艦としては11隻目となるが、これまでで最も保存状態が良いと説明し、「大きな残骸はすべて発見済みと考えられていたので、これはまったくの予想外だった」と語った。

 トレジャーハンターを近づけさせないとの理由から潜水艦の正確な位置は明らかにされていない。

 テルモット氏によると、全長27メートルの潜水艦はドイツ海軍「Uボート(U-boat)」のUB2型とみられ、船尾の一部が分離した状態だという。

 ベルガ(Belga)通信の報道によると、国内のドイツ大使館にはすでに報告済みという。

■「海中墓」

 ベルギー・フランダース海洋研究所(Flanders Marine Institute)のジャン・ミーズ(Jan Mees)所長によると、潜水艦の外側の一部の汚れを落とし、識別番号を調べるためのさらなる潜水調査が間もなく開始される予定という。

 識別番号が判明すれば、独当局による記録の照合、さらには乗組員遺族への連絡も可能になると考えられる。

 その一方でミーズ所長は、「ドイツの人々が遺体を収容したければ、それは不可能ではないだろう。ただ、実現の可能性はかなり低い」とも話し、残骸の引き揚げが「ほぼ不可能に近い」と考えられることから、今の場所が水兵らにとっての海中墓となるとの見方を示した。

 ドイツは第1次大戦中の4年間で、フランデレン(Flanders)地域に駐留していたUボート計93隻のうちの70隻とその乗員約1200人をベルギー沿岸沖で失った。
【翻訳編集】AFPBB News